この蒼い空の下で

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「やった! 消えてる!」


朝起きて鏡見たらセクハラ野郎(政宗のことね)が付けやがったキスマークが綺麗さっぱり消えていた。ざまあみろ! セクハラで付けても長々と残らないのよ!


「なんか今日は良いことがありそうな気がする」


例えば政宗が今までのセクハラを土下座で謝ってくるとか政宗がドSからドMに変わるとか……は気持ち悪いから無し。ドMな政宗ってやだよ。「美夜、俺を虐めてくれ!」とか言い出したら引くね。ドン引きだよ。確実に。


「やっぱ政宗はドSだよ、ドS。それ以外有り得ないって。虐められるよりも自分が虐めて楽しむ方が奴には似合ってる」

「よく分かってるじゃねえか」

「そりゃあ毎日虐められ、て……」


はっはっはー、虐められ過ぎて幻聴がきちゃったよ。ここは気分転換が必要だね。例えばマラソンなんてどうだろう。汗をかけば気分もスッキリだ!


「って追ってくんなぁーっ!!」

「追われたくねえならさっさとこっちに来な!」

「虐められると分かってるのに誰が行くか!」


廊下をバタバタと追いかけっこする私達を見ても助けてくれる人はいません。みんな微笑ましそうに見てるだけ。きっとみんなの眼に私たちははあははうふふと砂浜で追いかけっこするバカップルみたいに見えてるんだよ!

だって政宗の野郎はわざと速度落として追ってくるんだもん! 私は着物だからそんなに早く走れないのに政宗は袴穿いてるんだよ? 狡いよね! 脱げよ! 脱いでも私の方が走るの遅いの分かってるけどさ!! ちくしょう!


「ちょ、ちょっと、ストップ」

「ンだよ。もう息切れかよ」


もう、じゃないわよ! 性別とか体力差とか着てるものとか考えろっての! これでも頑張ったんだからね!


「その程度で息切れしるようじゃ一晩もたねえぞ」

「一晩てなんだ一晩て!」

「ンなもんセ…」

「わぁーっ!! ちょっとなに口に出して言おうとしてんのよ!」

「聞いたのはそっちだろ」

「だからって普通は言わないわよ! ていうか女の子に向かって言おうとするな!!」

「Ha! お前は規格外なんだよ」


規格外だと!? どういう意味よ! 女の子は女の子でしょうが! っていうか規格外でもヤりたいの!? どんだけ節操無しなのよ!


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