この蒼い空の下で
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「まったまたー。美夜ちゃんが十七歳? 無い無い。いくら何でもそんな見え見えの嘘には騙されないって」
「ほんとに十七です! んでもって秋には十八になります!」
「えぇー」
「ほんとですってば!」
「ククッ」
「あんたはいい加減笑うのやめろ!」
歩く人の邪魔にならないようにと政宗の先導で近くにあった橋のたもとに移動した。移動の間も着いてからも成実さんには何度も説明しているのに全然信じてくれない。政宗はといえば一生懸命説明する私と全く信じようとしない成実さんをそれはもう楽しそうに笑って見ているだけ。
政宗の笑いの理由は成実さんが私の歳を勘違いしてたことに対してじゃなくて、実年齢よりも下、つまり子供に見られていたことと中々十七歳だと信じてもらえない私を面白がってのものだと分かるから助け船を出してくれないことも合わさってものすごく腹が立つ!
「成実さん、私がもし十三、四歳だとしたら政宗のセクハラはどう説明するんですか?」
「せくはらってイジメのことだよね?」
「正確には精神的肉体的に性的嫌がらせをすることです」
「そうなんだ。確かに梵は美夜ちゃんの胸とか足とか触ってるもんなぁ」
「でしょ!? 私が嫌がってるのに反応を楽しがってわざとやってくるんだから! と、話がズレた。えっと、政宗がセクハラしてくるってことが私が子供じゃないって証拠です!」
「証拠じゃなくて梵がそういう趣味だったってことだろ? 付き合い長いけど俺全然知らなかったよー」
「成実。そりゃどういう意味だ」
笑いを納めた変わりに政宗は地を這うような声で成実さんを睨んだ。さすがに成実さんの顔が引き攣る。でも助ける気なんか全く無い。私だって成実さんには怒ってるもん。
「テメェは俺のことを幼女趣味だと思ってたのか? あ゙ぁ?」
「い、いや、だって美夜ちゃんの体触りまくってたし押し倒してたりすることもあるじゃん? だからそうなのかなーって……」
「ほぉ。テメェはそれを見てこいつがBaby Faceなんだとは思わなかったのか」
「べび、ふ?」
「童顔って意味だ」
「ああ、童顔な。ちょっとは思ったよ。でも美夜の胸ちっちゃいから子供だと思、って美夜ちゃんはなんで石なんか持ち上げてるわけ!!?」
「心底ムカつくその頭ぶん殴るために決まってるでしょ!!」
「ご、ごめんって! えーと、ぺったんこ、じゃなくて胸が寂しいだけだ…」
「私はこれでもCカップだー!!」
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