この蒼い空の下で

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『イジメ反対!』とか『イジメを無くそう!』ってスローガンを書いた紙をあちこちに貼ったら政宗も大人しくなるだろうか。無理か。あいつなら紙を見ても鼻で笑うか無視する気がする。あれを読め! とか言ってもだからなんだと返してきそうだ。そんなことを考えてる私は今物置っぽいところに隠れてます。なぜかと言うと政宗からのセクハラから逃げるためです。

戦国時代に似たこの世界に来て一週間経ったけど、帰る方法はまだ見つかってない。そして毎朝朝食後に政宗の部屋に行って私が居た世界の話をするのが日課になりつつある。だけど政宗はセクハラというイジメをしてくる。それも毎回!

聞きたいならセクハラをするなと言えば力付くで私を捕まえて「止めてほしかったらさっさと話すんだな」って、勝ち誇ってて尚且つ私をからかうことを楽しんでるドSの笑みを浮かべながら言いやがった!

だから次の日は離れた場所から同じこと言ってすぐに走って逃げたけど数メートル走っただけであっさり捕まって……。あの時は本気でヤられると思った。というか、初は奪われなかったけど何かを失った気分になった。ここがもし現代だったら訴えたら絶対に勝てるって自信があるよ。

その後も押してだめなら引いてみろ作戦でセクハラを我慢して反応しなかったら諦めるだろうと思って反応しないように頑張ってみたら私がおとなしいのをいいことに調子に乗って着物の合わせから手を入れてきた。(それだけでもムカつくのに奴はさらに胸を掴みやがった!)

ならばと侍女さんに紙と筆を用意してもらって政宗が聞きたがってることを書いて渡したら「字が汚すぎて読めねえ」とか言いやがった。(習字なんか小学生の時以来なんだから仕方ないじゃない!)おまけに書き方を教えてやるとか言ってさりげなく腰触ったり首や耳に息吹き掛けてきたし!

どんなことをやっても結局最後は政宗にセクハラされる。かといってセクハラなんかに慣れるわけないし慣れたくもない。ってことで今日新たな作戦を考えたわけです。

毎朝政宗付きの侍女さんが案内してくれるんだけど(お城の中って広いのよねー)、今日は道を覚えたから一人で行きますって行って侍女さんが居なくなった後に他の侍女さん達に見つからないよう気をつけながら政宗の部屋とは逆方向に行って隠れられそうな場所を探した。

で、見つけたのが物置らしきこの部屋。大小様々な箱が積み上げられてるおかげで薄暗いけど隠れるにはうってつけ! 昼頃には小十郎さんが帰ってくるからそれまでここで隠れてよう。

小十郎さんって怒るとすっごい怖くて、だからなのか政宗って小十郎さんが居るとセクハラを控えるんだよね。控えるより止めてくれると嬉しいんだけど。なんで小十郎さんが朝居ないのか分からないんだけど。今度聞いてみよ。


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