この蒼い空の下で
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絵になる二人、とか何かを見て絵になるって思うのは漫画とか小説の中だけだと思ってたよ。今の今まで。
朝ごはんを食べ終わった頃、侍女さんから政宗が呼んでいると伝えられた。その侍女さんに案内してもらって政宗の部屋に来たら奴は広縁に座って煙管を銜えてた。左足は縁から外へと降ろし、右足は膝を立て、立てた膝に肘を乗せた格好で。
着物姿だから余計に背景の庭や縁を支える柱、障子といった純和風の建物が合っていて画家や写真家じゃなくても形に残したいと思ってしまうほどにカッコイイし雰囲気もある。ちくしょう。カッコイイ奴は何やってもカッコイイってことかコノヤロウ。羨ましい!
「いつまで突っ立ってる」
「す、座るわよ」
見惚れちゃってたなんてなんか悔しいから政宗の顔を見ないようにして隣に座る。着物(借り物)だけど正座すると足が痺れるから政宗みたいに縁の外へと足を降ろす。
「呼んだ用件ってなに?」
「お前が居た場所の話をしろ」
「何から聞きたいっ」
横から伸びてきた腕に顎を掴まれ無理矢理に政宗の方を向かされた。なぜ顎を掴む。ていうか今グキッていったぞ、おい。痛いじゃないか。
「話の前に聞きてえことがある」
「なに?」
「さっき、見惚れてただろ」
「なんっ……なに言ってるのかワカンナーイ」
ナイス私! 直ぐにごまかせたよ! 誰が正直に認めるかってのよ! だからそのにやにや笑いをやめろ! ごまかせたって思わせてくれてもいいでしょ! くそぅ。恥ずかしさで頬が熱い。
「く、首痛いからさっさと離して!」
顎を掴む手をぺっと払って顔を見られないように背中を向ける。ああもう顔の熱がなかなか引かないじゃない! 後ろでクツクツ笑ってるし! もう絶っ対に見惚れないんだから!
「そんなに見たいなら見せてやるよ」
「へ? わっ」
ぐっと腰を引かれて体が後ろに倒れる。無理矢理政宗に凭れる形にされた。何するんだと見上げた政宗はフェロモンたっぷりの笑みを浮かべててまた見惚れちゃった。わーん! さっき誓ったばっかりなのにー!
「って顔近い! 近すぎ!!」
「この方が良く見えるだろ」
「見えなくていいし! むしろ離れろ! もうあんたに見惚れないって誓ったのよ!」
「もう、ってことはまた見惚れたわけか」
「あ」
しまったー! 私の馬鹿ー!!
政宗が勝ち誇った顔するから私の悔しさは倍増だよ! ちくしょう!
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