この蒼い空の下で
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佐助は後で食べるとかで一人で食べる。佐助が無言で見てくるから居心地悪いけど我慢だ。話し掛けてもどうせまた嫌味言われるだけだもん。それにまだムカついてるから話したいと思わない。
「・・・・・・・・まあぁあぁぁ!」
「ん?」
幸村のものっぽい叫び声がした。と思ったら今度はドカバキと何かが壊れる派手な音。
「さ、佐助!」
「あー、あれなら気にしなくていいよ」
「でもあの音絶対何か壊れてるって!」
「そーだね。また派手に壊してるだろうね」
「また?」
はぁぁぁ、と魂抜けちゃうじゃ? ってなくらい深ぁくて長ぁいため息を吐いた佐助を凝視。この叫びも破壊音も珍しくないのか?
障子を開けて辺りを見回すけど、騒ぎの現場に駆け付けようとしてるらしき人は一人も見当たらない。通り掛かった侍女らしき女性には派手な音も声も聞こえていないかのような態度で「お茶をお持ち致しましょうか?」と聞かれてしまった。何なんだここは!
「美夜ちゃーん、ご飯が冷めちゃうよー」
「ご飯よりもあれが気になるんだけど!」
「見に行きたい?」
「行っていいの?」
「遠くからなら巻き込まれないと思うよ。でもまずはこっちが先だよ。まさか残す、なんてしないよね?」
「絶対残しません!!」
笑顔って見てるとこっちまで楽しくなる表情のはずでしょ!? 怖くて震える笑顔なんてこの世から無くなっちまえ! 特にドSの笑顔!
掻き込むように、でもしっかり噛んでご飯粒一粒すら残さず綺麗に食べた。偉いねー、と頭を撫でてまた子供扱いしやがった佐助にまた腹が立った。ほんっとムカつく!
「突然だけど佐助って何歳?」
「二十三だけど?」
チッ。見た目通りかよ。老け顔だったらぷっふー! って笑ってやっ、
「痛い痛い痛い痛い痛い!!」
「ちょっと腕の骨折っとく?」
「ちょっと買い物行かない? みたいなノリで恐ろしいこと言わないでよ! っていうかそろそろ離してよ! マジで折れるから!」
「根性無いなぁ」
骨が悲鳴を上げてるくらい腕を捻り上げられてるのに根性も何も無いっての!! 離されるとさっさと佐助から距離を取って捻り上げられた右腕をさする。
なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ! 声に出してないじゃん! 思っただけじゃん! なのになんで佐助には分かっちゃうの!? 読心術とかってやつ!? ちくしょう! 佐助のバー、
「折られたい?」
「スミマセンデシタ」
体を九十度に曲げて謝りました。同じドSでも佐助の方が何倍も怖いよ。これならまだ政宗のセクハラの方がマシかも。まさかこんな風に思う日が来ようとは夢にも思わなかったよ。どっちにしろセクハラも嫌だけど!
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