この蒼い空の下で
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「じゃあ政宗に一つ命令するわよ」
「OK, 言ってみな」
「私からの命令は、今後一切私にセクハラしないこと! よ」
「Hnm」
あ、あれ? なんか反応が思ってたのと違うぞ? 予想だと舌打ちすると思ってたのに。
「えーと、これはセクハラじゃないとか屁理屈は無しだからね?」
「ンな姑息な手は使わねぇよ」
「じゃあなんでそんなに平然としてるのよ」
政宗の唇が片方だけ上がった。ニヤ、って笑み。
「な、何?」
「美夜、お前自分が何敗したか忘れたのか?」
「忘れるわけないじゃない。あんなに連続で負け、た・・・」
さぁ、っと血が引いていく。救いを求めてさ迷った目に映ったのは、「あー、仕事あったの忘れてたよー」と棒読みで言って去ってく成実さんの後ろ姿。
分かってたけどね! これまで成実さんが私のこと助けてくれたことなんか一度も無いんだもん!!
「美夜、俺のOrder【命令】を聞いてもらうぜ?」
「わ、私の命令を取り消せってのは聞かないからね!」
「取り消す必要なんざねぇ」
碁盤を横に退けた政宗から反射的に逃げようとした体は腕を掴まれて引き寄せられてあっさり捕獲された。腕を掴んでるのとは逆の手が首筋から鎖骨にかけてをどことなくいやらしい手つきで撫でてきた。
「セ、セクハラは無しって・・」
「一つ目のOrderは俺に何をされても逆らうな、だ」
「・・・・・・・」
聞かなかったことにしていい? だって政宗に何されても逆らうなって。それって結局私の命令が無しになったのと一緒じゃん! むしろ悪化だよ! ただの取り消しだったら逆らうこと出来たんだもん!!
「ぎゃっ!」
「前々から思ってたが、お前もうちょっと色気のある声出せ」
「そんなん知らないわよ!」
押し倒して首筋を舐めてくる政宗の顔を全力で押す。でもくすぐったいしぞわぞわしてくるしで力が抜けてきちゃう。
「ひにょぁ!」
キュロットスカート風の衣服の隙間から左手が肌の上を滑りながら入ってきた。太ももまで来た指先がちょっとだけ足の付け根に触れてビクッと体が小さく跳ねた。猛烈な恥ずかしさで体が熱い。
「変なとこ触らない、でぇ・・」
服の中に入って来た右手がお腹を撫でたあと背中に回って背筋を上から下へと撫でた。変な感じがしてへにゃっと一気に体から力が抜けた。
「Backも弱いみてぇだな」
「そんな、こと・・んっ」
また背筋を撫でられた。のけ反った喉を舐められたあと微かな痛みが走る。なんでそんな目立つとこに付けるのよ! 馬鹿!
「あっ!」
のけ反ったおかげで、何か話しながら並んで廊下を歩く小十郎さんと綱元さんを発見した。ピンチの時の(たまに)救い主現る! だよ!
「こじゅーろーさーん!!」
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