この蒼い空の下で
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「ゔー、犯された気分ー」
「触っただけだろ」
「触っただけ? だけだと言いやがったなコノヤロウ! 乙女の肌を何だと思ってんのよ! 一発殴らせろ!」
「お前のどこが乙女だよ。っと、今はンなこたぁどうでもいい」
「よくない!」
「いつも火傷の治りは早ぇのか?」
「早いわけないじゃん。あれくらいの傷や火傷でも治るのに数日は掛かるわよ。ていうか殴らせろ」
「ならこれほど早く治ったのは今回が初めてなんだな?」
「初めてよ。だから殴らせろ」
「どういうことだ?」
「どーでもいいわよ! 治ったならそれで良いじゃない! ていうか無視するな! 殴らせろ!」
「Ha! やれるものならやってみろよ」
「ああやってやら、わー!! 顔近い! 顔近いってー!!」
ぐいっと顔を近付けられて一気に顔に熱が集まって心臓もドキドキしてくる。イケメン(それもとびきりの)ってなんでこんなに心臓に悪いんだ! 落ち着け落ち着けと心の中で必死に唱えてみてもまるで効果は無い。顔はぽっぽっと熱く、心臓もドキドキバクバクと激しいまま治まりそうな気配は無い。
「どうした? 殴りたいんじゃねえのかよ」
「喋るなら離れてからにして! 息当たってる!」
「どこで話そうと俺の勝手だ」
ニヤリと笑ったかと思うと首筋に顔を埋めてきた。髪が当たってくすぐったい、なんて思ってたら少しかさついた熱いものが肌に触れていることに気付いた。え、ちょ、これまさか、唇? ちょっ、ちょっとー!?
こんなことをされたのが初めてなこともあっておたおたしていたら私の首筋に顔を埋めたまま政宗が笑い出した。クツクツと、それはもう楽しそうに。
「ちょっと! 私のことからかって遊んでない!?」
「気付いたか」
「気づくわよ! 遊ぶなら他の女にしろ!」
「お前ほど面白い反応する奴はいねえんだよ」
「だからって遊ぶな! って言ってる側から首筋を舐めるなー!!」
―――――
「成実、そこでいったい何をしている」
「あ、小十郎じゃん。お帰りー。ちょっとあれ見てよ。梵が女の子とさっきからずーっとイチャついてんの」
「ずっと覗いてたのか?」
「だって梵が連れて来た女の子だよ? どんな子か気になるじゃん」
「ほぉ、それでずっと覗いてたわけか」
「こ、小十郎?」
「仕事はどうした」
「え、えーと、こ、これからやるところ、か、な?」
「さっさと仕事に戻りやがれ!!」
―――――
「ククッ」
「なに笑ってんの?」
「なんでもねえよ」
「なんでもないならいい加減離してほしいんだけど! 私はあんたのオモチャじゃないんだか、ひぎゃあぁぁぁっ!!」
耳舐められたー!!
続