ギロ夏小説(ノーマル)
□陰謀のキャンディ
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「最近ギロロ、いつにもましてうるさくないでありますか?」
「あ、それ僕も思ったですぅ〜・・・会議中、少しお菓子食べてただけですごい勢いで怒られたですぅ〜」
「タママもそう思うよね、ここはさ・・ギロロに一泡ふかせない?」
「おもしろそうな話だなぁ・・バックアップしようか?クックーッ」
「クルルか・・・それじゃ三人でやるであります!」
・・・・・・・・・・
それから数日後。
「クーックックックッ、出来たぜぇ、隊長・・・ほらこれだ」
「キ、キャンディ?」
「飴ですか?僕にも欲しいですぅ〜」
「こいつはただの飴じゃねぇんだよ・・・先輩がなめれば一発で天国近くまでぶっ飛ぶ代物なんだぜぇ?」
「そ、それは一体・・どういうことでありますか?」
「一泡ふかせたいんだろ?先輩が苦手な酒が濃縮されて入ってるんだよ・・・死なない程度にな」
「ゲロゲロリ・・いいでありますなぁ〜」
「楽しみですぅ〜」
「問題はどうやって食べさせるかでありますな・・」
「伍長さん、こういうの食べなそうですぅ〜」
「クックックーッ・・・その点は抜かりないぜぇ・・夏美がキャンディを先輩に渡してるのを見たから・・包みを同じにしておいた・・・混ぜこんでおけば・・」
「よし!タママ二等・・・飴を貰うふりをして置いてくるであります!」
「はいですぅ!」
・・・・・・・・・・
テント前に来るタママ、いつものように銃を磨いているギロロ。
「伍長さ〜ん・・ナッチーから貰った飴、僕にも一つ下さいよ〜」
「!?・・タママ!何故それを知っている?」
モニタリングしていたケロロとクルル。
「ま、まずい・・・ギロロが疑っているであります・・クルル!」
「ちっ・・・しゃあねぇ・・秘密兵器を出すか・・・ぽちっとぉ」
「・・秘密兵器って何?クルル」
「蚊型麻酔針さ・・相手を決めれば飛んでって一撃でおねんねだぜ・・・」
「おぉ〜・・なら最初っから出してくれたらよかったのに〜・・クルル〜」
「・・こういうのはピンチに出すのがいいんだぜ?」
目をモニターに戻す二人。
(・・あわわ・・どうしたらいいですぅ)
「どうして知っているんだと聞いているんだ!」
「えっ・・・えっとぉ・・そ、それは〜」
今やギロロは立ち上がってタママに近づいてきていた。
(ま、まじでやばいですぅ・・・飴がなめたいから持ってないかを聞けばよかったですぅ)
「・・・ひっ」
目の前に迫るギロロに驚いて目を閉じるタママ。
み〜ん・・・
タママは耳の横で一瞬虫の羽音を聞いた。そしてその直後ギロロのプレッシャーが消えた。
(?・・・伍長さん?)
恐る恐る目を開けるタママ。ギロロは目の前で倒れていた。
「も、もしもし〜・・・大丈夫ですかね?」
すぅ〜・・すぅ〜
寝息が聞こえてきた。
(な、何だ・・・寝ただけか・・ってか何でいきなり寝たんだろ?・・・)
首を傾げるタママ。ギロロの首筋には蚊型麻酔針がしっかり刺さっていたが、タママは気がつかなかったようだ。
「なんにせよチャンスですぅ〜」
タママはテントに潜り込むとすぐに飴を一つ取り替える。
「でかした!タママ二等!」
「後は先輩がなめるのを待つだけだなぁ・・クーックックックックッ」
「ケロケロリ・・これでギロロに一泡吹かせられるでありますな〜」
二人は嫌な笑いを浮かべ、麻酔の効いているギロロをモニターごしに眺めていた。