ギロ夏小説(ノーマル)

□南の楽園 ギロ夏ver.
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ざざ〜ん

ここは南の島、西澤グループのリゾートである。いつものように桃華の冬樹と仲良くなる作戦のためのリゾートだが、断りきれずにみんなを誘ってしまったのだ。

「きれいな海だね、ギロロ」

「そ、そうだな・・・」

水着姿で隣に座る夏美に少し緊張気味のギロロ。

「ね、海に入ろうよ」

「あ、ああ・・・」

夏美に手を引かれて海に入る。

「やっぱり海はいいなぁ〜、気持ちいいしね・・・ギロロもそう思うでしょ?」

「えっ?あ、あぁ・・・夏美はいつでもきれいだな」

「へっ!?」

「あ、ああ・・いや、なんでもない」

「もぅ、ばかっ!」

ざばっ

ギロロに水をかける。言葉とは違い、太陽のように微笑んでいる夏美。

「や、やったな!」

ざばっ

「きゃっ!・・・もう怒ったんだから・・それ、それ」

ざば、ざばっ

「ま、負けるか〜!・・うりゃあ〜」

ざばん、ざばん

お互いにすさまじい勢いで水を掛け合う二人。

「それぇ」

ざばっ

「おりゃ」

ざばっ

お互いに最後の一撃がお互いをとらえる。

「きゃあ!」

「うわっ!・・・げほっ、けほ」

夏美はしりもちをつくだけだったが、ギロロはその上さらに海水を飲んでしまった。

「だ、大丈夫!?」

とりあえず砂浜にあがった二人、ギロロはまだ咳込んでいた。

「げほっ、けほ・・・」

背中をさすってやる夏美。

「大丈夫?」

「・・けほ・・だ、大丈夫だ・・」

ぺっ、ぺっ

「しょっぱい・・・夏美、水・・何か飲み物を・・」

「飲み物?・・う〜ん、困ったなぁ〜・・・水筒は持ってないし・・・・」

「は、はやく・・・」

「!いいこと思いついちゃった・・ギロロ、目を閉じて」

「?・・ど、どうしてだ?」

「いいから、いいから・・・ね!」

満面の笑みを浮かべる夏美。

(な、なんだ?・・・何をする気なんだ?まあいい、この際背に腹はかえられん・・・)

夏美のいうことを聞いて目を閉じるギロロ。少しドキドキしていた。

「それじゃ、いくよ?」

「・・・・・」

薄目を開けて何をするのか見るギロロ。徐々に顔を近づけてくる夏美。夏美も目を閉じている。

(なっ・・・ま、まさか・・・)

このような状況になったからといって逃げるわけにはいかなかった。

(・・十センチ・・五センチ・・二センチ・・・)

ちゅっ

くちびるが重なり合う。夏美が自分の唾液をギロロに送り込む。

(あ、甘い・・・とても)

海水がしょっぱ過ぎたせいだけでもないようだ。それからしばらく二人は離れずにキスをし続けた。
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