ギロ夏小説(ノーマル)

□panic after
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「・・・手が・・あったかい・・・」

隣に寝ているギロロ、顔は向こうをむいているがしっかり手を握っている。

「うぅ・・・ぅん」

ギロロの顔がこちらにむく。

「・・ギロロ、ありがと・・・」

ちゅっ

ピピピピピピ

目覚ましが鳴る。

「うぅん・・?・・な、夏美!?元に戻れたのか」

「うん、おかげさまで・・」

「お、俺はなにもしてないから・・・」

顔を赤くしてギロロは部屋から出て行った。

「ギロロ・・・・・・あっ!学校!」

慌てて学校の準備をして出かける夏美。行き際にテントの方を覗く。

「いってくるね、ギロロ!」

「い、いってこい・・・」

・・・・・・・・・・

「学校か・・・」

夏美が学校に行った後、ギロロはケロロをシメるために部屋へ向かった。

ばんっ

「ケロロ!・・・覚悟しろ・・?」

部屋にはしっかりシメられ、ばんそうこうだらけになっているケロロがいた。

「ギ、ギロロか・・・やるなら・・やるであります・・・」

「・・・夏美か?」

「い、行きがけにボコボコに・・・されたであります」

「そ、そうか・・・」

ケロロに背をむけ、部屋を後にした。

(テントに戻るか・・・)

ばたんっ

「はぁ、はぁ・・・」

さっき出掛けたはずの夏美が走って戻ってきた。

「な、夏美・・どうした?」

「はぁ・・はぁ、忘れ物・・しちゃって・・・ギロロ、部屋からお財布・・とってきてくれる?」

「わかった!」

部屋に入ると財布は結構すぐに見つかった。机の上にのっていた。

(これだな・・・)

ブツを頭の上に掲げ、階段を駆け降りようと踏み出した。しかし、足を踏み外してしまい転げ落ちる。

ガン、ゴン、ガン、ゴン、ドスン!

「いでっ、うぎゃ、どわっ、ぎゃっ、いででっ!」

「だ、大丈夫!?」

「ほ、ほら・・財布・・・」

「ギロロ、手当しないと・・・」

「行け!・・・おくれるんだろ?」

「でも・・・」

「俺のことはいいから、行け」

「う、うん・・・ごめんね、ギロロ。ありがと」

夏美が玄関から出ていく。一回こちらを振り返ったが、ギロロは早く行くように促した。

「ふぅ・・・いたた」

所々擦りむいたりしていたが、頭の上に出来たたんこぶが一番痛かった。

(冷やさないと・・・氷、氷・・)

冷蔵庫の前に立つギロロ。氷を五、六個とってたんこぶにあてる。

(ダメだ、とけてしまう・・・おっ、ビニール袋・・・・これに入れるか)

ビニールに氷をつめ、たんこぶにあてつつテントに戻る。

「またカッコ悪いところを見せてしまった・・・急いでたからってあれは・・」

テントの中で少し落ち込むギロロ。
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