ギロ夏小説(ノーマル)
□夏美最大の危機!?
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「ギロロ、ホントにいいでありますな!」
「何度も言わせるな!ペコポン侵略のためだ、悪い訳がないだろう!」
ケロロの部屋で何かを待ち受ける二人、ドアのノブが回る。
「ちょっとボケガエル!トイレ掃除またサボったでしょ!」
「な、夏美殿・・・」
(う、うろたえるな。我輩!作戦は完璧)
「許さないんだから、覚悟しなさい!」
「へっ!何を言う!我輩は侵略者、貴様など一ひねりであります!ギロロ伍長!」
「わ、わかった・・・」
(す、すまん夏美!これが俺達の本当の関係だ!)
煙幕をはるギロロ、部屋は煙で一杯になる。
「行くであります、ギロロ」
「あ、ああ・・・」
地下基地への入口でギロロは夏美の方を振り返る。
「ちょっと〜、なによこれ!ボケガエル!」
(すまない・・・)
入口のドアを半開きにして中に消えた。
ケロロ発案、日向家制圧作戦の概要はこうだ。ケロロが『わざと』当番をサボる。夏美は部屋に来る、そこで煙幕をはり基地へ逃げる。追ってきたところを捕まえ牢にぶち込む、というものだ。
「ここまで作戦は順調であります!そ、そろそろ夏美殿が来るはずだ、クルル曹長スタンバイ!」
「いつでもOKだぜぇ、隊長。クーックックックックッ」
リモコンを手に現れるクルル。
「そんなことより、赤い旦那はホントにいいのかい?」
「う、うるさい!いいんだ、これで」
その時、三人の前に夏美が現れた。
「あんたたちもう許さないんだから!」
「ク、クルル!」
「ポチッとぉ!」
しゅるるるる
天井からニョロロが出てきて夏美の体を締め付ける。
「い、いやあ〜。ボケガエル、こんなことしてただですむと思ってんの!」
「そんな姿で何を言っても恐くないであります!夏美殿には牢獄が待っているんでありますよ」
「えっ?」
「これでこの家は我々のものとなるのだ。タママ二等と通信をつなげ!」
「了解!」
ケロロがタママの報告を聞いている。どうやら日向家はバリアによって周りから隔離され、電話なども全て破壊されたようだ。
「ねぇ、ギロロ・・・」
夏美は小さな声でケロロに気付かれないようにギロロに声をかける。
「・・・・・」
ギロロは応えない。
「ギロロ、これ解いてよ・・・お願い、後でお礼するから」
ジャキッ
「黙れ!ペコポン人、大人しくしていろ!」
夏美のこめかみに銃をつきつける。
「・・・・・・」
「ど、どうしたんでありますか?」
ケロロが振り返る。
「な、なんでもない」
銃をおろすギロロ。
どさっ
倒れ込む夏美。
「ギ、ギロロ・・う、撃ったでありますか?」
「いや、俺はなにもしてないぞ・・・」
「ギロロ、様子を見るであります」
「な、夏美?」
「はぁ、はぁ」
苦しそうに息をする夏美、顔色も悪い。
「ど、どうした!?」
おでこに手をあてる。
「す、すごい熱だぞ!」
「ゲ、ゲロッ!ふ、冬樹殿を呼ぶであります!ギ、ギロロはとりあえず夏美殿を部屋に連れていくであります」
「あ、あぁ・・・」