ギロ夏小説(ノーマル)
□ギロロとゲームと雨
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ピコピコ、バーン
「ふっ、いやぁ・・・やった〜、クリア〜」
テレビ画面を食い入るように見つめコントローラーを叩く夏美。
「くそっ!ケロロのやつ、コピーロボットとは・・よく考えるというか、その頭をなぜペコポン侵略に使わんのだ!」
ぶつくさ言いながら廊下を歩くギロロ。
ズガーン!
「爆発音!?ちぃっ、リビングからか!敵性宇宙人の攻撃か?」
たたたっ、ばんっ
「覚悟っ!」
ジャキッ
ビームガンを構え、リビングに飛び込むギロロ。
「えっ?ギ、ギロロ?どうしたの」
テロテロ〜ン
よそ見をした途端に敵の攻撃が・・・見事命中、そして撃破。
「あ、やられちゃった〜」
「どこだ!敵性宇宙人は!」
「ちょっとなに訳わかんないこと言ってんのよ〜、やられちゃったじゃない!」
「えっ?な、夏美・・・敵性宇宙人のこ、攻撃じゃ?」
「違うわよ!これこれ、ゲーム!」
「げ、げぇむ?」
「知らないの?」
「き、聞いたことはある・・・ケロロが買いに行ったらしいからな」
「それじゃあ、やってみる?案外楽しいかもよ?」
(な、夏美が俺を・・さ、誘ってくれている・・・だがそんな軟弱なもの・・・)
「やるの?やらないの?」
「うっ、な、夏美がそこまでいうなら・・・ケ、ケロロのやつが夢中になる理由もつかめるかもしれんし・・・」
「やるのね。それじゃあ、こっち来て座る!」
「は、はい!」
言われたとおりに夏美の隣にちょこんと座るギロロ。
「そ、それで・・?ど、どうするんだ?」
「今やってるゲームは敵の飛行機を撃ち落とすっていうゲームなんだけど・・はい、これがコントローラー」
今自分の持っていたコントローラーを渡す。
「で、これがビーム、こっちので移動だから・・・」
「えっ?あ、ああ」
「説明するよりもやった方がはやいでしょ、それっ」
ピッ
スタートボタンを押す、テレビから賑やかな音楽が流れ始める。
「う、うわっ!いきなり!?」
敵機が現れる。
「攻撃、攻撃しないと」
「えっ?あ〜、これか!」
ピコっ
敵機はそれをヒラリとかわす。
「もっとよく狙わないと」
「そ、そんなこと言ったって・・・これが・・動かしづらくて」
「あ〜!ギロロ、撃ってきたよ。よけてよけて」
ピュン
「な、なにっ!ど、あっ!」
ズガーン
コントローラーを持ってあたふたしていたため見事撃破されたギロロ。
「あ〜ぁ、やられちゃった」
「うっ・・・」
「ダメダメねぇ」
「くっ・・・」
ショックだったらしく、コントローラーをにぎりしめフルフル震えていた。