リクエスト小説

□ぶつかる言葉、つながる心
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(・・お皿は重ねられたままできれいだった・・・つまり食べる前にケンカは起きた・・・)

冬樹は本を棚に戻し、ベットに寝転がる。

「つまみ食い・・?」

(多分・・ギロロが犯人と疑い疑われて今に至ると・・・)

「・・・理由は大体わかったから・・仲直りしてもらうには・・真犯人を探すしかないね」

冬樹は知っていた。ギロロも夏美もケンカをするとそればかりに気がいって周りが見えなくなるのだ。

(この前のときはひどかったからね・・・)

・・・・・・・・・・

ざくっ

「いたっ!」

「ね、姉ちゃん大丈夫!?」

「う、うん・・たいしたことじゃないよ」

包丁で指を切ってしまう夏美。冬樹が急いでばんそうこうを取ってくる。

「・・はい・・これ貼って」

「あ、ありがと冬樹」

「気をつけてね」

また包丁を持つ夏美。大丈夫だろうと冬樹が後ろを向いたその瞬間。

ざくっ

「痛いっ!」

・・・・・・・・・・

(その後も二回くらい手を切っていたなぁ・・・それに伍長も・・)

・・・・・・・・・・

ぱちぱち・・

「・・・・・」

おもむろにいもを火に入れるギロロ。

「はぁ〜・・・」

もくもくもく

黒い煙がたくさん上がっていく。

「伍長!?・・たき火たき火!」

異変に気付いた冬樹が窓を開けてギロロに声をかける。

「!?・・し、しまった!いも・・」

と何を思ったかギロロはたき火に手をつっこんでいもを取り出そうとした。

「あっちぃ〜!」

・・・・・・・・・・

(・・・やっぱり早く真犯人を見つけないと・・)

冬樹はとりあえずリビングへ向かうことにした。

「おそらくそこが犯行現場だからね・・」

・・・・・・・・・・

物干し竿はギロロのテントがある方にしかなかった。曲がり角で一時停止する夏美。

(・・・テントから出てない方がいいな・・顔をあわせたら・・・きっとケンカになっちゃうから)

「ふぅ〜・・」

深呼吸を一つして角を曲がる。

『!』

お互いに一瞬目が合うがすぐにそらした。
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