リクエスト小説

□ぶつかる言葉、つながる心
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にゃにゃ・・・にゃぁん

カリカリ

ねこはテントの中でまだ封を切られてないダンボールをひっかいていた。

「こらこら」

にゃ?

ギロロはねこを抱き上げてダンボールから離す。

(・・・新しいのが届いてたんだった・・)

がさがさ

・・・・・・・・・・

カチャカチャ

(ばかギロロ・・素直に謝ってくれたら・・・それで許せるのに・・)

お皿を洗う夏美、頭の中はもうギロロとのケンカのことばかりになっていた。

「・・・ギロロのばか」

ピーッ、ピーッ、ピーッ

(あっ・・お洗濯終わったみたい・・・)

・・・・・・・・・・

カチャ・・・ジャキッ

(・・梱包が雑過ぎる・・・やっぱりダメだな・・通販は)

庭のブロックに腰掛け、新品の手入れをするギロロ。

キュッキュッ

(・・・もう少し・・俺を信じてくれたっていいじゃないか・・・)

「夏美はわからず屋だ・・」

銃を磨きながらギロロがぽつりともらす。

(二人でといったものを・・俺が食べるわけないだろ・・・)

「はぁ〜・・」

キュッキュッ

(・・夏美に信じてもらえないのが・・・つらいな)

・・・・・・・・・・

どさっ

「・・・干しに・・行かなきゃいけないよね・・・」

洗濯かごを前にため息を一つついて考える夏美。

(・・時間も経ってるし・・・謝ってくれるかも・・)

「よし・・行きますか」

夏美はかごを抱えて庭に出ていった。

・・・・・・・・・・

キュッキュッ

いくら磨いてもきれいになっていかないような気がしていた。

(・・いっそ・・・俺が謝ってしまおうか・・それで全てすむなら・・・)

ぶんぶんぶん

「いや・・ダメだ・・・」

(やってもいないのに認めて・・・夏美に・・夏美につまみ食い野郎だとは思われたくない・・・)

「でも・・・どうすれば」

(・・真犯人さえわかればな・・・)

・・・・・・・・・・

「はぁ〜」

自分の部屋で何度も読んだはずの本を眺める冬樹。内容は全く頭に入ってこなかった。

(・・姉ちゃんと伍長は何でケンカしたんだろ?)

そのことが妙に頭について離れない冬樹は先ほど見た光景を思い出す。

(・・・テーブルの上の紙箱・・お皿にコップとジュース・・・)

「!・・そうかっ!ケーキ・・・ケーキだ」

冬樹は持ち前の推理力を駆使してケンカの理由を暴いていく。
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