リクエスト小説

□あたしとあなたとねこ
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「・・ちょっと頼みがあるんだが・・・」

「あたしにできることならなんでもするよ・・・何をすればいいの?」

「い、いや・・・夏美になにかしてもらうわけじゃないんだ・・冷蔵庫から氷をもらっていっていいか?」

「氷?・・別にいいけど・・・」

「わかった!ありがとう、夏美・・」

いいという言葉を聞いたギロロはすぐさま台所ヘ向かっていった。

「・・な・・にに使うの・・・ってもういないし」

(・・ちょっと気になるなぁ・・後で聞けばいいや)

夏美も少し納得できないところはあったが部屋にひっこんだ。

・・・・・・・・・・

冷蔵庫から氷を調達したギロロはテントに戻っていった。

「・・戻ったぞ、ねこ」

みゃぁ・・

声をかけると少し顔を上げてこちらを見る。その動作もちょっとつらそうだった。

「起きなくていいぞ・・」

氷を袋に移して頭にのせてやる。

んにゃぁ〜・・・

「気持ちいいか・・・ゆっくり休めばすぐによくなる・・今日はここでゆっくりしていくといい・・」

ギロロはねこの側について銃を磨く。しばらくすると氷が溶け切ってしまった。

「・・また・・取りに行くか・・・」

にゃあ〜・・・

行かないで、という声が聞こえてくるような鳴き声だった。

「いなくなるわけじゃないんだ・・・お前は心配しないで寝ていろ・・」

んなぁ〜

起き上がろうとするねこ、ギロロはそれを抑える。

「ほら・・・ダメだぞ・・すぐ戻るからな」

テントから出て家に入っていくギロロ。

・・・・・・・・・・

家に入るとリビングに夏美がいた。

「あっ・・・な、夏美・・」

「ギロロ・・また氷?」

「ああ・・ダメか?」

「・・ううん、そうじゃないけど・・・」

ガラガラ

ギロロは氷を袋に移していた。

「ねぇ・・ギロロ?」

「・・な、なんだ?夏美」

「その氷、なんに使うの?」

「んっ?・・言ってなかったか?」

「う、うん・・聞いてないよ」

「ここによく来るねこ、知ってるだろ?・・そいつが熱を出したんで必要なんだ」

「そうなんだ・・・ギロロが看病してあげてるんだね・・やっぱりやさしいね」

「・・そ、そんなことは・・・ただほってはおけないだけだ・・」

「それをやさしいって言うんだよ・・ギロロ」

「・・・・・」

少し赤くなったギロロは氷の入った袋を抱え、逃げるようにその場を離れた。

(お手伝いしに行こうかな・・・ギロロ一人じゃ大変だろうし・・)

夏美もテレビを消して、外に向かっていった。
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