ギロ夏小説(ノーマル)

□ロケットアクシデント
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がりがりがりがり

爪で引っ掻く、引っ掻き過ぎで爪が割れる。

「くっ、夏美・・・」

「・・・もういいよ、ギロロ・・どうせもう無理だよ」

「弱気になるな!必ずなんとかしてみせる!」

(・・・・!)

「クルル!」

「なんだぃ?」

「このロケットの固定台にロックをかけられるか?」

クルルに駆け寄るギロロ。

「ん〜・・・できるが・・それだけじゃあロケットの推進力には勝てないぜぇ?」

「俺に考えがある・・・このロケット・・燃料タンクが爆発しても夏美は無事でいられるか?」

「な、何をする気でありますか?」

「クルル!どうなんだ?」

「計算では問題ねぇよ・・・でもそんなことしたら・・・」

「十分だ・・あとタンクのバルブが開いて、点火まで何秒だ?」

「秒数にして0,7秒だぜぇ・・マジにあぶねぇぞ、先輩・・」

「カウントを頼む・・・」

そういってロケットに近寄っていく。

「夏美、安心しろ・・・もう大丈夫だ・・俺が発射を食い止めるから・・」

「ギ、ギロロ?・・」

「そこから出て俺がいなくても・・・・」

『あと二分です・・・』

「ギロロ!?いなくなるって・・どういうこと?」

「いや、いい・・・気にするな・・」

「先輩!忘れもんだぜぇ・・・」

クルルが飛行ユニットを投げ渡す。

「撃った後、速攻で飛べば爆風に巻き込まれないですむかもしれねぇ」

「すまない、クルル・・」

そう言い、ギロロはロケット下部へおりていった。

「ギ、ギロロ〜!?行っちゃやだよ」

「心配するな、嬢ちゃん・・先輩はこんなことじゃあ死なねぇよ・・・叫ぶより祈りな」

クルルもそう言ってロケット制御室に戻る。モニターに向かい、凄まじいスピードでキーボードを叩きソフトウェアの変更をする。

(こっちはなんとか大丈夫そうだな、クーックックックッ・・・後は先輩次第だぜぇ)

ピッ

『ロケット固定台の完全ロックを確認しました・・・』

アナウンスが響く。

(よし、よくやってくれた・・・クルル)
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