□nature
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 青い空、白い雲。
 緑が生い茂る木々に、色こそない吹き行く風。
 鳥はその青い空を飛び交い、人々は緑豊かな大地を行き交う。
 また、ある所では新たな生命が産声をあげ、ある所ではその灯が消える。

 繰り返される、何度も見てきた景色。
 その全てが、例外なくあのお方によって生み出されたもの。

 だけど僕はそんな当たり前の風景を壊そうとしている。
 それが、僕ら――魔族――の使命なのだから。

 そして、ここでもまた。
 限りある生命が営みを繰り広げている。

「ちょっとっ、ガウリイ! それあたしのよっ!」

 すぱあぁぁん!

 スリッパの奏でる小気味よい音が響く。

「んぐへっ! 何するんだよリナぁーってあぁっ!? それ最後に食べようと思って残しておいたんだぞー!」
「やかましいっ」

 周囲の客が、一歩引いた視線を浴びせているのもなんのその、金髪の剣士と栗色の髪の魔道士は次から次へと運ばれてきた食事を胃袋に納めていく。

「毎度毎度、飽きんのかこいつらは……」
「もぐもぐ、名物みたいなものですもんね。もごもご」
「お前も食いながら喋るな」
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