□GOLDEN BALL
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陽の光が燦々と降り注ぐのどかな街道をのんびりと行く大と小の一組の男女。

大きい方は長い金髪を揺らめかせ、青黒い軽装の甲胄に腰には剣を携えている剣士風の男性。
小さい方は、ややウェーブのかかった腰あたりまでの栗色の髪に黒いマント、所々に宝石護符を装備した魔道士ルックの少女だった。
特筆すべきは、小さいのは身長だけでなく胸も含まれることか。

ただ黙々と歩いていた二人だったが、不意に金髪の男がひたりと足を止めた。

「なぁリナ」

リナと呼ばれた栗色の髪の少女は、それに反応して同じく歩みを止めて後ろを振り返る。

普段はボケキャラで通っている後ろの彼の表情は、何故か珍しく真剣だった。

「何よ、ガウリイ」

それを不可解に思ったリナは、少々ぶっきらぼうに返事を返す。

というのも、こういうタイミングで呼ばれる場合、ろくなことがないのを長年の経験が物語っているから。

「あのさ、ずっと思ってたんだが、お前――」

きりっとした碧眼でまっすぐに見つめられ、思わずリナの脈拍が僅かながら上昇する。
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