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□物陰注意報。
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「折り入って話があるというのはどういうことですか!?わざわざこんなところまでついてきて…」
わざと目線を合わさずに、フィリアは言う。
こんな所とは、彼女の営む骨董屋。
「嫌ですねぇフィリアさん。そんなに警戒することないじゃないですかぁ」
いや、彼女が警戒するのは当たり前だろう。
なにせ、怪しいという言葉がそのまま人型をとったよーなものが目の前にいるのだから。
言わずと知れた生ゴミパシリ魔族、ゼロス。
買い出しに行った先で不意に現れ、『話がある』とかなんとか言って、のこのこついてくる始末。
「――で、話って何なんですか!?」
すると、彼の目が急に真剣になものに。
「短刀直入に言いましょう。フィリアさん、貴方が好きです」
「え……!?」
思わぬ突然の告白に、唖然となるフィリア。
「い…いきなり何を言ってるの!?悪い冗談はやめてください!」
「おやおや…信用ないんですねぇ」