□あなたのこと
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お昼時。昼食をとるため、リナ達は食堂に居た。食事はそれなりに美味しく、フィリアも満足していた。だが。
「…なんであなたがいるんですか」
ギロリ、と隣りに座る男を睨みつけて、フォークを置いた。
「おや?もう食べないんですか?」
「あなたがそこにいると気になって食べれないんです!」
思わず立ち上がって、フィリアは怒鳴った。急に立ち上がったせいで、木製の椅子が倒れたが、今のフィリアにはどうでも良かった。そんなフィリアに動じる事もなく、ゼロスはいつもの笑顔を浮かべている。
「まぁまぁ。落ち着いて下さい。ほら、皆さんも見てますし」
言われて初めて、皆が食事の手を止めてこっちを見ていることに気付いた。
何となく気まずくなり、フィリアはコホンと咳払いをすると倒れた椅子を直し、座った。
「どうぞ、続けて下さい」
フィリアがそう言うと同時に皆の動きが再開する。リナとガウリィが肉の取り合いをしているのを、見るとはなしに見ながら、ゼロスに話しかけた。
「…私達の食事なんて見ていてもつまらないでしょう」
なのになんでいるの、と続けて、先程頼んだ紅茶を一口飲む。やはり自分でいれた方が美味しい、とフィリアはティーカップを置く。
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