「ねぇ水谷、ゲームしない?」
隣の席に座っていた君が突然そう言った
「いいけど、どんな─?」
君と話すチャンスだ
もちろんやる
「しりとり。」
「えっ!」
しりとりかよ!まぁ君らしいかな
「ヤなの?」
「別にいいけどさ─」
こんな風に言ったけど、君と何か出来るんなら喜んで、って感じだ
「じゃあ負けたら自分の好きな人を言うってことで!」
「え!いや!困る!」
だ、だって俺の好きな人って君だし!
「なんで─?面白いじゃん、その方が─!」
「でもさ!」
心の準備もできてないのに本人を前にして言えるわけがない
「いいじゃん!水谷のケチ─!」
「ん──…わかった…」
あまりにも彼女がやりたそうに駄々をこねるので断りきれなかった
「よし!じゃあ水谷から!」
「…じゃあしりとりの『り』でリンゴ」
あ!でも君の好きな人って誰だ…?
って俺、ここで失恋しなきゃいけないのかよ!
「─ごはん」
『ん』?
「水谷くん、」
あれ?
(あれれ!?)
(ただきっかけが欲しかっただけ)
→お話タイム