novel

□溺れているのは君か僕か
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「さよなら、準太」


驚いた


「ごめんね、準太」


驚きすぎて


「ありがと…準太」


何の言葉もでない


俺の彼女になってくれたときから彼女の気持ちが分からなくて、何と言えばいいのかわからなかった

それで最近あまり話してくれなくて、メールしても電話しても返ってこなくて

好きだったのは俺だけで彼女はそんなことなかったんだって自覚した

俺は彼女が好きだ
すごくすごく好きでどうしていいかわからないくらい

けど…


「、き…だよ、準太」

「えっ…?」

「すき、すき、すき、準太」


彼女は泣きながらポツリポツリと言う
いつも優雅で、先輩が卒業するときも、俺が泣いていても泣かなかった彼女が、大粒の涙を流して泣いていた

それでも彼女は優雅で綺麗だ

俺は華奢な彼女をギュッと抱きしめ、子供をあやすように背中を叩いた

いつも大人の雰囲気を漂わせ、嫉妬とか不安なんてしないような彼女


「じゅ、んた」


俺の胸に顔を埋めながらか細い声で呟いた


「…なに?」

「ごめん、ごめんね」

「なんで謝んの?」

「あたしが悪いから」

「なんで悪いわけ?」


「…準太がエースになって人気者になって…、とられちゃうかもって嫉妬してた」

「─…」


なんだ、そんなことか


「さよならなんてしたくなかった。ごめんね、図々しくて」


といって申し訳なさそうに笑う彼女

その顔だって、愛しいから


「…なぁ、俺ってそんなに頼りないかな」

「え…?」

「俺、嫉妬されても全然平気だし、むしろその方がいい」

「っ、」

「彼女が彼氏を嫉妬するくらい普通じゃない?」

「じゅ…」

「嫉妬でもなんでもしてくれていいから、もっと俺のこと好きになってよ」


もう不安になんてさせないから







(どちらも恋に溺れてる)




◇◆◇

ミルキーウェイで君と、様へ提出!



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