novel

□運命信義論
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「ねぇ準太、運命って信じる?」

突然、隣にいた幼馴染が俺に問いかけた



いつものように彼女は俺の部屋にズカズカ入りこんで、いつものように何をするわけでもなくベッドに寄りかかるようにして二人並んでくつろいでいた


そしたらそんなことを聞かれて、いつものようではない張り詰めた空気を感じた



彼女の方をチラリと見るが、彼女は真正面を向いていて、その整った横顔を見ることしかできなかった


ふと彼女は片目だけに俺を映した


「準太聞いてる?」

「ん、あぁ」


そんな返事をしてから彼女のように真正面に向き直った




―――運命、か

運命なんて不確かなものは、あまり信じてないのかもしれない
死ぬも生きるも運命だから、とか思いたくないし
まして試合の勝敗も運命だった、なんて片付けたくない



けど、今俺とお前がこうして出会っていることが運命とかいうもんなのか?

・・・恥ずかしくて言えねーけど、そんなこと



「・・・あたしは運命って信じてるんだ」


またもや突然彼女は話し出したので俺の思考は断たれた


「ん、なんで?」







「だって、今あたしと準太がこうして出会っていることが運命だと思うから」



なんだこいつ、そんな恥ずかしいことをサラリと言って・・・

っていうか同じこと考えてたんじゃん


―――あれ、やっぱり運命信じる、絶対











(運命の赤い糸はほら、ここに)




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