novel
□放課後の教室
1ページ/2ページ
冬の夕暮れは早い
教室の窓の外を見ると既に日は落ちて、学校の光も少なくてほとんど真っ暗だった。あたしは帰宅部だからこんな暗いのは久しぶり。
この英語の課題を終わらせてから帰るつもりだったのに・・・あたしは寝てしまったらしいのだ。窓側の席だったから体も冷えてる。
んでいつの間にやら8時・・・8時!?
冬だのなんだのという問題ではなかったらしい
「あ――帰んなきゃな―・・・」
再び外を見てみると、少し明るい場所を見つけた
――きっと野球部だ
あたしのクラスの泉くんも野球部で、すっごい青春してて羨ましい・とか思ったりして・・・
なんか切なくなってきたな〜
だから嫌なんだ、放課後は。
別に考えなくてもいいことまで考えちゃう気がする
あれ、さっきなんで泉くんがでてきたんだろ
――とか考えてたら教室の戸が開いた
<ガラッ>
「!おい、まだ残ってんのかよ」
そこには息を切らした泉くんが立っていた
「・・・あっ、うん。泉くんはどうしたの?」
「っ、忘れ物を取りに・・・つかお前もしかして一人で帰んの?」
「そういうことになるかな、あはっ」
「『あは』じゃね―よ」
泉くんは少し顔をしかめた
そして口を開いた・・・
「んじゃあ、もうちょっと待ってろ」
「え?」
泉くんの声を聞くと・・・なんだか変
「、一緒に帰ろうぜ」
思いもよらぬ言葉にドキドキがとまらない
変な気持ちがわかるまであと少し―――
(あなたと一緒なら決して嫌なものじゃない)
→オマケ+お話タイム