novel

□ルーモアの彼
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ああ、つまらない。何でこんなにもつまらないのかな。授業はもちろん、クラスの女子は噂話ばっかで飽き飽き。
早速あたしは愛用の簡易枕とブランケット、ほかに必要なものを持って教室から飛び出す(そんな勢いはないけどね)
サボりと言えば、やっぱり屋上でしょう。といつものコースを通って屋上の扉を開ける。


「…榛名、くん」

「んだよ、」


そこにはジロリとこちらを見る野球部期待の星・榛名。プロ野球選手なると有名な、あの。
あ─最悪だわ。噂じゃあ俺様らしいし。あれ、案外あたし噂話聞いてるよね。


「どこいくわけ?」

「、保健室」


すぐにUターンしたあたしにクエスチョン。あたしは振り向かずにアンサー。
さっさとこの微妙な雰囲気から抜け出したいんです。


「はあ?なんで」

「なんでって(榛名がいるからだってば)」


とりあえず榛名の方を振り返ったあたし。そこにはなぜだかまた壁。っていうか榛名?いつの間に。壁に見えるほど近いのはなぜ。開けゴマっ。


「ここに居りゃいんじゃね─の?」



榛名くんの声が上から降ってきた。わわ、男の子ってこんな声?待って、あたしなんでこんなに焦ってんの?いつもの冷静さはどうした!

「なぁ、」

え、え、顔近くない?なんで彼の腕があたしの両サイドに?ていうか名前!


「お前、暇だといつもここにくるんだろ?」

「なん、」


なんで知ってるの、という前にまた榛名が口を開いた。


「一緒にいてやっても良いけど」





(顔が赤いのは見なかったことにしてあげるわ)








◇◆◇

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