庭球

□白い恋人
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それは、雪の降った日の事でした。
「…何しとんの?」
寒さからなのでしょうか、柳生君は仁王君にくっつきました。
「何とは…?」
「…白々しい、俺の身体触りながら平然とすんな」
話をしつつも、柳生君の掌は仁王君の身体を撫でます。仁王君はというと、撫でられた所からざわざわと淡い痺れを感じて、身を捩って逃げようとしました。でも、逃げかねてしまいます。
「何ね?ヤりとぅ?」
「ええ、まあ」
「…もうちょい、情熱的に誘ったらどうぜよ」
仁王君は苦笑しながらも柳生君の唇に触れるか触れないか、柳生君を誘います。
「…言葉を言ってる間に貴方を食べたいんです」
触れてこない唇に焦れて、強い力が仁王君の頭部を引き寄せました。
乱暴に唇を開かれ、口腔を蹂躙されます。
その時、なぜか甘い味が口腔に広がりました。その甘さに酔いそうになりながら、仁王君も柳生君の舌を吸って愛撫します。
「……ふ、ぅ………ン……」
甘い香りもしてきました。これは柳生君の匂いでしょう……。
唇が離れると渇きを覚えます。
「………ひろしぃ…」
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