庭球
□煌めく
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静かに、星は光っていた。
それは、ある者を魅了するかのように…
また、ある者に微笑みかけるように…
待ち合わせ、10分遅刻。
息を弾ませ公園内に突入する。
待ち合わせは噴水の前。
ゼーゼーいう呼吸を整え、宍戸は噴水の周りを見渡した。
「…ハー、ハー」
だが、探している奴がいない。
まさかあいつに限って遅れる事も、忘れる事もない。そんな風に思えるようになったのはいつが最初だったか。
「あいつ…」
ふと空を見上げると満点の星。
だは、宍戸の目には小さく点滅をしているような、そんな輝きを持った星が映った。
空は黒く、光だけが妙な輝きを放つ。
何かの前触れのような…とても嫌な感覚。
「長太郎!!」
宍戸はそれを振り払うために叫んだ。
「長太郎!!」
何度も、何度も…