庭球

□バトルステージ
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『1st ステージ』





いつ見ても…





真田は堅物





「仁王!」
ゴンっと大きな音が鳴った.
「何すんじゃ!」
仁王はズキズキと痛む頭を抱え、真田を睨んだ.
睨まれたからと言っても真田は凛とした態度を崩すわけでもない.
「その口にしてるものはなんだ」
「何って…たばっ!」
またゴンっと大きな音が鳴った.
天気は快晴.昼寝には最適.そんな訳で仁王は屋上でのんびりしていた訳だが….
「テニスをする者がそんな者を吸うな!」
ニコチン、タール、もろもろ.火のついた所から煙がのぼる.
「しょうがなかろぅ…」
仁王は真田に怒られているのに、また、煙草に口をつけようとした.
「馬鹿もんが」
煙草を持つ手を真田は叩いた.ぽろりとコンクリートの上に煙草は落ちる.
「何するんじゃ!!」
仁王はそう言ってから後悔した.その後に真田の平手がきそうだったからだ.
「…」
だが真田は何もせず仁王を見ていた.
「さなだ?」
「…」
「さなっ…」
グイっと手繰り寄せられた胸元.唇への柔らかい感触.
真田は舌先を仁王の口腔に忍ばせる.触れ合った舌が互いに熱を求め、絡み合う.
「ふっ、ぅ……」
離れると心なしか寒さを憶える程.
「…な、なに考えとんじゃ!!」
仁王は慌てた様子で真田から一定の距離、放れる.



「お前とキスができないだろう」



真田の言っている意味が解らない.男同士でなぜキスをしたがるのか解らない.
「馬鹿か!!」
「煙草は嫌いだ」
「そんなん聞いてなかっ!」
「解ったな」
「…しるかっ!!」
仁王は真田から逃げるように屋上から下へと続く階段に走った.





バクバクと鳴り止まない心音に仁王は焦っていた.





  なんでこんなに鳴っとるんじゃ





走ったからだ、等と思い込んでしまおうと思ってはいるが….

真田の顔が消えない.

キスの感触がまだ残っている.





  おかしい…これって!










恋の予感?


END.



勝敗
真田○ 仁王●
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