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□猫のように可愛がって☆
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今日は雨が降った。雨が降るとなぜか憂鬱な気分になる。
真田は帰宅途中だった。
後少しで自宅に着く。が、自宅前に傘が開いたまま落ちていた。
落とし物かと思ったがチラリと足が見えた。
すましてソコを通ろうとすると、
「にゃ〜お」
甘えた声が呼んでくる。
「何がしたい…」
「にゃん」
真田は目を細めて奴を見た。ヤンキー座りをしていかにもガラが悪いかのように奴はいた。
「にゃ〜お」
ガラが悪いように見せているくせに猫撫で声を出して甘えてくる。
「何をしている」
「…捨て猫ゴッコ」
「…馬鹿か…」
「主演 真田弦一郎、捨て猫 仁王雅治」
真田はどう返していいのか困ってしまう。仁王は何を考えているのか解らない。
たぶん…甘えているだけなのだろうけれど。
「それで?」
「拾ってくれんの?」
「まったく…拾って欲しいんだろ?」
仁王は嬉しそうに笑って立ち上がる。
「にゃん」
真田が歩きだすと真後ろに着いてきた。

甘えられるのも嫌ではない。

拾った猫は家に入るとスタスタと入っていってしまった。
「仁王」
呼んでも返事なし。たぶん行くのは自室だろうと思って放っておく事にした。
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