ポケモン擬人化 等
□Frale
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子供の頃、願った夢。
キミとずーっと一緒にいられますようにって。
だけど、無理だったのかな?
僕の願いなんて、叶わないの?
今、笑っているキミは僕の隣にいない。
幼かった、あの日より遠くにキミがいる。
「大好きだったよ……」
そんな言葉さえも届かない。
キミは僕の為に笑ってくれない。
僕のことに気付いていないかのように。
はぁ、と漏らした溜息が熱っぽい。
家の窓から外を眺めると雨が降り出していて。
傘を差したキミと、女の子が楽しそうに話している。
嗚呼、僕はあの中に入れない存在なんだ。
「ディルカ…………」
こんなに辛い想い、初めて。
知ってた。キミ――ディルカが幸せを掴んだことを。
彼が今、彼の隣で話に耳を傾けている女の子――エンジュと付き合っていると。
昔「僕が守ってあげるね」と言って笑い合ったときのことなんて忘れて。
その度ディルカは「それは俺のセリフだ」なんて言って。
楽しかった日々はもう来ない。
「………………グッバイ。ディルカ」
* * *
「エンジュ、最近アイツを見かけねーけど知らないか?」
「……さあ」
手のひらに落ちた桜の花びら。
ちょっと黒ずんで見えるのはきっと気のせい。
そう、信じたかった。
不吉な予感が、心の中に溢れて。
胸を締め付ける。
Frale
(忘れないで、僕のこと)(そして想って。思い出して)(絶対に幸せになって)