ポケモン擬人化 等

□大好きだよ、たとえキミが壊れても
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 初めて出逢った時からずっと一緒。
 家族のような存在だった。
 孤独に押しつぶされそうだった僕を救ってくれたのだから。
 一人でずっと寂しかった。
 でも今は一人じゃないんだって。
 そう感じることが出来る。
 だから、最期まで――。


【大好きだよ、たとえキミが壊れても】


「フルちゃん、桃香ちゃん」

 優里は隣に座っていた少年少女を呼んだ。
 二人は優里にとってかけがえのない、大切な存在だった。
 自分の心にぽっかり開いてしまった穴を埋めるための。

「ボク達、ずっと一緒だよね?」
「当たり前なのです!」
「で、それがどうかしたの?」

 優里の問いにはっきり答える桃香。
 一方フル――フルミーネは優里の質問に対し疑問を持ったようで。
 当たり前のように質問を投げかけた。
 すると一瞬哀しそうな表情になった後、すぐに笑顔になって言った。

「妖精達の、声が聞こえただけ。“いつか裏切られる”って。でも気のせいだった」
「僕達が――少なくとも僕が優里を裏切るわけないだろ? 優里は僕の玩具なんだから」
「ずーっと一緒、仲良しなのですよっ」

 フルミーネの台詞は若干黒い。
 しかし優里はそれを気にしなかったようだ。
 桃香も笑顔で答えた。
 そして優里とフルミーネに微笑みかけた。
 二人もまた、笑った。

「ずーっと、大好きだよ二人とも」


 この二人が僕の世界を救った。
 フルちゃんと桃香ちゃん、この二人が僕の心の英雄かな?


fin...
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