小説
□君の大切な日に
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「…はぁ」
一方的に通話を切られて立ち尽くすリョーマ
「…忘れるわけないじゃん」
大切な恋人の誕生日なんだし、
と心の中で呟く
本当は
リョーマは覚えていた
今日が金太郎の誕生日であるということ
だから、彼は今
「…大阪の地理、全然わかんないや」
ここ、大阪にいる
リョーマは驚かせたかったんだ
恋人である金太郎を
そして
この大切な日を
一緒に過ごしたかったんだ
大阪へは以前
四天宝寺との合同練習のため来たことがあったから
なんとか一人でここまで来ることができた
「四天宝寺まで行けば、会えるかな」
と思ったけど
大阪へ来たのは結構前のことなので
四天宝寺への行き方なんて、覚えているわけない
かと言って
金太郎をここに呼びだすのはつまらない
そこで思いだした人物
「白石さんに電話しよ」
たまたま白石の電話番号を知っていたリョーマは
白石に電話することにした