小説

□もっと僕を愛して、
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俺のことしか





考えられなくさせてやりますわ






















もっと僕を愛して、



















何で俺といるのに





他の奴のことばかりなん?

















「お、白石からメール来た」
















最初はなんとも思わなかった




部長は謙也さんと同じクラスで
仲がものすごくいいことぐらい知ってるし、




俺といるときに

他の奴からメールが来ることぐらい、気にしなかった







けれど





それから何通も部長からメールが届いている



それに謙也さんは楽しそうに部長とやりとりしていた









…気にくわん










俺と2人でいるのに




なんでそない他の奴のこと考えてんねん






俺はチラチラ雑誌から顔をあげて謙也さんを見る


俺の部屋のベッドに腰掛けて携帯をいじくる謙也さんは

本当に楽しそうで














「楽しそうッスね、」













少し素っ気なく喧嘩をうるように俺は言い放った
















「ん?あぁ、なんか白石がガブリエルがなんたらーってメール送ってくんねん」















はは、と微笑みながら話す謙也さんを見て

余計イライラして













「あっそ」














また素っ気なく言い放った



すると謙也さんは俺の異変に気づいたらしく













「ざ、財前?なんか怒っとる?」










なんて言ってきた


なんで俺が怒っているのか本当にわかってないのか



ホントムカつくわ、先輩












「俺がおるのに、部長と楽しそうにメールしてはる奴にはわかりませんよ」













雑誌から一切顔を上げないで俺が言うと
やっとわかったのか


謙也さんはしまった!!という顔をする







 



「ス、スマン財前っ!!俺、ホンマ無神経でっ」



「そんなん知りませんわ」














俺の言葉を聞いて
いきなり慌てだした謙也さん


まぁ自業自得っちゅーやつッスね

部長とメールしてたアンタが悪いんスよ















「ざっ、財前っ、ホンマ悪かった!!許してやっ」



「嫌や」



「…っな、何でもするからぁっ!!」

















『何でもする』?
















「…それ、ホンマに言うとるんスか?」




「お、おんっ、財前が許してくれるなら…っ」

















泣きそうな顔をしている謙也さんをみて



俺は



誘っているとしか思えなかった









何でもしていいなんて















「その言葉言ったこと、後悔させてやりますわ」
















やることは一つやろ?
























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