小説

□どんなプレゼントよりも
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街のイルミネーションが目立ってきた






もうすぐ



君の誕生日がおとずれる













 


どんなプレゼントよりも















寒い寒い12月


金太郎と白石は
白石のおごりで行きつけのたこ焼き屋でたこ焼きを食べていた

はむはむと餌付けされた動物のように
たこ焼きを頬張る金太郎は
白石に言った












「もうすぐクリスマスやなぁ!!」



「せやなぁ」



「白石ぃ、わい今悩んどんねん」











は?

と白石は金太郎の方を向く

今の会話の流れから言って
悩むことなんてないだろう、


白石は思ったが
すぐ何か思い出したかのように

あぁ、と呟き言葉を続ける 












「サンタさんに何貰うか悩んどんのか」


「おん!!まぁそれもあるけどなぁ」



「…?」













遠回りに違うと言われた


悩みなんて全くなさそうな金太郎が悩むこと

白石は思考を堂々巡りさせながら
ある答えにたどりついた












「越前クンのことか」



「…せやねん」















第一、悩みなんてなさそうな金太郎の悩みと言ったら

リョーマのことか金銭のことだろう













「なわでや。俺にはラブラブにしか見えへんのやけど」



「ラブラブだからこそ、悩むこともあるねんで?」














はぁ、とため息をつく金太郎は
彼氏のことを自慢する女子校生のようで吹きそうになる

金太郎はたこ焼きを食べるのを止めて、白石に話し始めた












「25日な、コシマエの誕生日さかい、コシマエ大阪来んねん」




「へぇー、それのどこを悩むねん」



「わい、今金ないねん」



「…あぁ、」













そういうことか、

白石は金太郎が言いたいことを理解した

つまり
お金がないからリョーマの誕生日プレゼントが買えないということだ















「なるほどなぁ」




「なぁ、どうしよ白石ぃ」

















コイツは俺に金を貸せといっているのか

と一瞬思ったが純粋な金太郎に限ってそれはない


タダでリョーマが喜ぶプレゼント…


2人で悩みに悩んでいると
白石はピクン、と反応した
なにか思いついたらしい


そして怪しい笑みを浮かべた















「なぁ金ちゃん、俺、タダで越前クンが喜ぶプレゼント知っとるで」



「ホンマかぁ!?なんやなんやっ」















キラキラ笑顔の金太郎に
白石は耳打ちを始める





ごにょごにょ、




話し終わると
金太郎は絶叫する











「えぇえぇえええぇえぇえ!!!?ななななに考えてんねん白石!!!」




「え、あかんかった?越前クン、完璧喜ぶと思うたんやけどなぁ」









う、と金太郎は息詰まる









「タダで済むし、ええ感じやろ?」




「…ホンマに、コシマエ喜ぶか?」



「おん、俺が補償するで」










金太郎は迷った結果

白石が話したととおりにすることにした


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