小説

□君の大切な日に
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「コシマエーっっっ!!!」



『何』



「今日何の日か知っとるー!?」



『エイプリルフールでしょ?』










君の大切な日に










電話越しからは

愛おしい君の声と

耳をふさぎたくなるような言葉が聞こえた







「…は?」




『まさか遠山、エイプリルフール知らないの?』




「は…はぁ?もちろん知っとるで!!…けど、他にないん?」




『何が』







金太郎は期待して
電話越しの彼、リョーマに問うけど





『えーと、ごめん…何かあったっけ?』




当の本人は何のことかさっぱりわかっていないらしい

金太郎はショックと怒りでいっぱいになり






「コシマエのバカーっっ!!もう知らんっっ」



『あ、ちょ、とおや』





ぷつん

通話を切ってしまった






「コシマエの、バカ…」





そう。

今日4月1日はエイプリルフールでもあり
金太郎の誕生日でもある

そんな大切な日を恋人に忘れられて
怒らない人間はいるのだろうか

一人部屋にいて寂しくなった金太郎は






「もうええ!!白石んとこ行こ!!」





と部屋を出て行ってしまった




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