小説
□僕の名を呼んで
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今日も
携帯電話を握りしめる自分がいた
僕の名を呼んで
遠山から電話がかかってこなくなってから
もう5日が過ぎようとしていた
いつもなら毎日かかってくるはずなのに
アイツは、あれ以来電話をかけてこない
『ごめんな、』
最後に電話した日の
通話を切る直前のあの言葉が
耳から離れない
「…遠山、」
君の名を呼ぶけど
俺の言葉はむなしく部屋の中で消えていく
全部、俺が悪いんだ
俺があんなこと言ったからだ
ホントはそんなこと思ってないのに
素直になれなくて、
あんなことを言ってしまった