みじかいの

□Spring of LOVE feat.日番谷 冬獅郎
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花音「し、失礼します!!」

私は、執務室の大きな扉の前で声を出した。

どうしよう、緊張しすぎて声裏返った。

「はぁ〜い!!…あら?」

花音「あ、乱菊さ…じゃなかった。松本副隊長、おはようございます!!本日より…「なんだ、花音じゃないの!!ホラ、入って入って!!」…え…!?」

大きなドアを開けてくれたのは、護廷十三隊十番隊副隊長・松本乱菊さん。

アネゴ肌で、周りからも慕われていると訊いた。

まぁ、仕事嫌いなのがたまにキズらしいけど。

「松本!!」

乱菊「隊長〜、そんな怖い顔しないでくださいよ〜。怖がっちゃいますよ?」

声が聞こえないからてっきり、ここには居ないと安心していたのもつかの間。

私の目の前に、雪のように綺麗な色をした髪の毛が揺れた。

花音「し、失礼します!!」

私はあわてて、日番谷隊長に頭を下げた。

護廷十三隊十番隊隊長・日番谷冬獅郎。

史上最年少で隊長の座に就任し、氷雪系最強といわれる斬魄刀・氷輪丸の使い手。

そして…

私が最も憧れる存在。

冬獅郎「お前は?」

私のあまりの緊張ぶりに、乱菊さんはさっきから笑いっぱなし。

しょうがないじゃない、いきなりこんな事になるなんて思ってもいなかったんだもん。



私が真央霊術院を卒業したのは、この春。

護廷十三隊の隊長・副隊長格の人が優れた人材を見定めるために、真央霊術院を訪れることがある。

調度私たちのクラスの時、十番隊の日番谷隊長と松本副隊長が来ていたのだ。

私が死神になろうと思ったきっかけは、ホロウに襲われそうになった時「氷の竜」を操る死神に助けてもらったのが理由だった。

まさか、自分のクラスに憧れの十番隊隊長・日番谷冬獅郎が訪れるなんて。

その日は、1日中心が躍っていたのを今でもよく覚えている。



乱菊「隊長〜、自分で引き抜いておいてお前は?なんて、酷すぎますよ〜。ね、花音!!」

乱菊さんはそう言って私の同意を求めてきた。

花音「え…いや…。」

冬獅郎「松本、新人を困らせるな。それよりお前、副隊長会の報告書は?」

日番谷隊長に言われて、乱菊さんは「やばい」という表情をした。

大方、報告書を作ってないのだろう。

乱菊「私、急用思い出しちゃった!!花音、ゆっくりしていきなさいね?」

そう言い残すと、乱菊さんは瞬歩を使って執務室を飛び出して行った。

冬獅郎「おい、松本!!」

日番谷隊長が叫んだにも関わらず、乱菊さんは振り向きもせずにどこかへ行ってしまった。

花音「あ、あの!!今季より十番隊・第三席に着任しました春風花音と申します!!よろしくお願いいたします!!」

私は日番谷隊長に頭を下げた。

冬獅郎「そんなに硬くならなくてもいい。」

いや、そうは言われても…。

乱菊さん、絶対に確信犯だよね。

冬獅郎「…さっそくで悪いが、松本が残して行った書類を片付けてもらってもいいか?」

花音「は、はい!!」

私が返事をすると、日番谷隊長はフッと笑って椅子に戻り、仕事を再開させた。



Spring of LOVE


弾けるような、恋をしよう。





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