みじかいの

□Beauty and the Beast
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ルキア「美女と野獣、だな。」

一護「あぁ?」

大人しく読書(ルキア曰く、現代語の勉強らしい。)してるかと思えば。

一護「美女と野獣?」

ルキア「今読んでいる書物の名前だ。まさに、貴様らの事ではないか。」

ルキアは自慢げに今まで読んでいたその書物を俺に差し出した。

書物つーか、それ絵本だから。

普段、学校ではかなり猫を被って生活しているルキア。
俺と、花音の前では常にこんな感じだ。

「ルーキーアッ!!」

ルキア「おぉ、花音ではないか。調度、お主の話をしておったのだ。」

可愛い笑顔を浮かべながら現れたこの女、春風花音。
言わずと知れた、俺の彼女だ。

花音「私の話?」

そう言いながら、俺の横にちょこんと座る。

こうゆう所が可愛いんだよ。

まぁ、言ってやんねーけど。

ルキア「花音、この書物は読んだことあるか?」

そう言ってルキアは花音に本を差し出した。

花音「ん?…美女と野獣?」

ルキアから本を受け取って、それをマジマジと眺めている。

花音「これって、愛を忘れてしまった王子様が野獣に変えられちゃうお話だよね?」

ルキア「そうだ、まるで花音と一護の事だろう?」

一護「いや、意味わかんねーから。」

ルキア「貴様は本当に馬鹿者だな、一護。」

一護「あぁ!?」

花音「一護くん、怒らないの!!」

ルキアの「馬鹿者」発言に若干キレる俺。
それを宥める花音。

花音に言われたら、怒るに怒れない。

ルキア「一護は、野獣だからな!!」

一護「テメェ、どういう意味だ…!!」

ルキア「貴様は、短気で怒りっぽいだろう。野獣そのものではないか!!」

誰が野獣だ!!

花音「あー、そういう事か!!」

ルキアの言いたいことが分かったのか、花音は笑いながら納得している。

ってか、納得するところじゃねーし。

花音「確かに、一護くんは野獣かもね!!」

ルキア「花音もそう思うだろう!!」

俺のわからない所で意気投合してる、花音とルキア。

花音「でも、あたしじゃベルにはなれないからなぁ。美女と野獣にはなれないよ。」

ルキア「何をいっておる、花音は一護にとっては姫君みたいなものだろう。」

一護「んなっ…!!」

花音「ル、ルキア…!!」

ルキア「お、もうこんな時間か。一護、花音。私は浦原の所へ行ってくる。」

そう言い残すと、嵐のようにルキアは去って行った。

…。
この恥ずかしい空気、どうしてくれんだよ!!
さっきのルキアの発言で、花音も顔を赤くしてうつむいちゃってるし。

花音「い、一護くん…?」

…くそ。
んな顔してんじゃねーよ。

一護「花音。」

花音「な…んっ。」

ちゅっ、と小さくリップ音をたてて花音にキスを落とした。

花音「やっぱり、一護くんは野獣だ。」

一護「ばーか、何とでも言え。」

ふんわり笑った花音にもう一度、キスをした。





Beauty and the Beast





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