テニスの王子様

□イルミネーション
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「綺麗だね。」
「せやな。」

財前とその彼女である名無しさんは、クリスマスムードの街中を一緒に手をつないで歩いていた。街路樹は電球がいくつもついており、赤や青に点滅する。

「カップルが多いね。」

彼らと同じように、手をつないで歩くカップルがたくさんいる。

「ああいうのと一緒にされたないわ。」

財前は目線だけその方向にずらした。視線の先には、大胆にイチャつくカップル。しかも、男性は50代後半ぐらいで、女性はかなり若い。ベンチに座っているその二人。男性はベタベタと女性に触れている。

「...はは。」
「ほんま、見ててウザイわ。」

財前はそういいながら名無しさんの手を引いて再び歩き出す。

「どこ行くの?」
「あそこ。」

財前が向かったのは観覧車だった。あらかじめ予約しておいたのだ。

「...ありがとう。」
「別に。」

二人は観覧車にのった。ゆっくりと上昇していく。夜景も美しかった。

「名無しさん...」
「ん?」
「景色ばっか見てないで、俺のことも少しはかまえや。」

財前が名無しさんの手をぎゅっと握った。

「///光..」

チュッ...

ゆっくりと唇を重ねた。一度離したところで、また重ねる。財前は名無しさんの頬を押さえて角度を変えたキスを何度もした。

「ん..っっ」
「ハァ..。人目気にすることなく出来るから、ここ選んだんや。もっとするか?」

Sっ気な笑みだが、優しい微笑であった。名無しさんはコクリとうなずき、また唇をかさねた。

「名無しさん好きやで。俺だけ見とってや。」
「うん。私も光が好き。」

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