うちの旦那 シリーズ

□新婚さんちにいらっしゃい
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「トシちょっと休みなよ。せっかくの休みなんだし」


「とっとと終わらせてからの方がいいだろ、もう少しだしやっちまおうぜ」



ついこの前、結婚式を終えたばかりなのに新婚旅行にも行かずに引越しの片付けに追われていた。



「疲れた・・・」


「今日中に終わらせて明日はゆっくりしような」


「うん」


そう、今度ちょっと長い休暇を取って新婚旅行に行くんだもん。
頑張ろう!









ピンポ〜ン♪



「あれ?誰だろ?宅急便かな?」


「あぁ、俺が出てくる」








ガチャッ


「サインでもいいですか?って・・・風間!!」


「何だ貴様か。名前は居ないのか?」


「この忙しい時に、何しに来やがった」


「わざわざ人が新居に祝いに来てやったと言うのに、全く失礼な奴だ」





何の騒ぎかと様子を見に行けば、
トシと風間さんが玄関のドアの隙間で睨み合っていた。



「風間さん来てるの?!」



風間さんはドアの隙間に足を入れ、強引に家に入ってきた。


「ちょっ、風間!」


「名前、会いに来てやったぞ。これは引越しの祝いだ」


「あ、ありがとうございます。この前も結婚祝い沢山いただいたのに・・・」
結婚祝い、殆ど私個人用の品だったけど・・・。


トシは風間さんを家に入れるなって怒ってたけど、せっかく来てもらったし家に上がってもらった。






「まだ、引越しの片付けが終わってなくて散らかってるんですけど」


出されたお茶を啜りながら風間さんは家の中を見渡した。


「名前らしい部屋だな。」


「ちょっと私の趣味が強いんですけどね」


「そろそろ帰ってくんねぇか?まだ片付けの最中なんだ。また、片付いたら呼んでやってもいいぞ」



「貴様は昔から変わらないな」


「このくそ忙しい時に来られちゃたまったもんじゃねぇ」



言い合っていた二人だけど、なんだかんだその後ちゃっかり風間さんは夕飯まで食べて帰った。





「今日も片付かなかったね」


「まったくだ。あいつのせいで」


「明日こそ二人でゆっくりできるといいね」


「あぁそのつもりだ」


トシとおやすみのキスをして布団に入ったけど、二人とも疲れてたせいですぐ眠ってしまった。













「こんなもんかね」


「こんだけ片付けば、誰呼んでも大丈夫だな」


「以外と早く片付いたね」



お昼は何食べようと台所に向うと、後ろからトシに抱き締められた。


「トシ、お腹空いたでしょ?何食べる?」


「名前がいい」



今にも事が始まりそうな、いい雰囲気だった時、

ピンポ〜ン♪



「宅急便か?」

トシが玄関に向かったけど、そんな恐い顔で宅急便屋さんビックリしないかな。









ガチャっ


「総司!?・・・斎藤まで?!」


玄関の外には、沖田さんと申し訳なさそうに俯いた斎藤さんが居た。


「そんな恐い顔しないでくださいよ。新居に遊びに来たんじゃないですか。ほら、ちゃんとお祝い持ってきましたし」


「総司。やはり前持って連絡入れてから・・・」


「お前らな・・・」





結局、沖田さんと斎藤さんはうちでお昼ご飯を食べて、帰ったのは夕方。


毎週末はお客様で暫く二人ゆっくりはお預けかな。







「・・・俺の名前なのに、何奴もこいつも」


「トシの名前だから安心して」


「(居たのか!?)」


顔を真っ赤にしてるトシが可愛い。







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