うたたね

□草食×勇気
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「忍足のこと好きやで」

くらむぼんから言われて付き合い始めた

最初は断れへんかったっちゅー理由で始まってんけど

今はくらむぼんの優しいとことか元気なとこか

知らん間に好きになってた

でも、その伝え方がわからへん

一緒に帰るのも手をつなぐのも

デートするのも全部くらむぼんからの誘い

俺からはやったことない



「なぁ謙也」

「なに?」

「てぇつなご?」

「おん」


今日も、リードされてて


「どないしたん?元気ないやん」

「いや、別に?」

「謙也かわええなぁ」

かわええって…

俺はかっこいいって言われたいのに


「くらむぼんが男前すぎんねん」

「はぁ?何言っとん。謙也が頼りないからウチが守ったげてんねんで〜」

「…そら、おおきにな」

「冗談やって!へこまんとって」



俺だって。


勇気出せばいけるねんで。



「くらむぼん…」

「ん?」


―ギュッ…


「ちょ、謙也!?道の真ん中やで」

「いややったら、離れてみぃや…」


緊張で声震える。


必死にもがくくらむぼん

けど、俺のほうが力強いし

背だって高い


俺がその気になればくらむぼんなんかどうにだってできる

言葉にできひんけど

くらむぼんを守りたい

頼れる男になっていつか俺が引っ張っていきたい



あ、もう限界



「…謙也、顔真っ赤」

「…うっさい」

「かぁわい」

だから、かわいいは嫌やって


…絶対いつかかっこいいって思わせたるから

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