うたたね

□名前も知らないのに。
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あー…ダル。

なんで委員会なんかせなあかんねん。

しかも当番あるなんか反則や…


俺は心の中で文句たれながら図書室へ向かう。

放課後なんか人来おへんのになぁ…


当番に行ってもだれも居らんし

音楽プレイヤーで音楽を聴く。



なんで今日に限って靴あんねん

貸出せなあかんの〜?

「だれか知らんけど借りるんやったら早よぉしてな」

「…。え?ウチ?」

自分以外だれがおんねん。

初めて見る顔。

名札が3年のやつや。

「本、借りひんねやったら早よ帰れ。」

「え〜残念。」

「何がやねん」

「部活めんどくさいからサボってたのに」

「早よ部活行けや」

「ははっw了解♪じゃね。財前くん」


なんや、あいつ。

名前。なんで知ってんねん。

あ、名札か。

まぁ関係ないわ。


―次の日

あーめんどくさい。

今日雨降らんかなぁ。部活なくなんのに

って思いながら白石部長がうるさいから部活に向かう

あ、千歳先輩と昨日の人や。

仲いいねんな。

別に関係ないけど

次の日は謙也さんと

その次の日は一氏先輩と金色先輩と

そのあとオサムちゃんと

どんだけいろんな人としゃべってんねん

って時は過ぎ。

今日も当番に向かう

…やっぱり。
今日も居る

「…なぁ。」

「おお財前くん」

「なんや最近えらい先輩たちと仲良くしゃべってるなぁ」

「え?結構前からやで〜」

「今日もサボり?」

「もちろん、毎日サボり」

「じゃぁなんでここやねんほかにも行くとこあるやろ」

「それはなぁ」

こっちによって来る

「財前くんと話したかったから」

「は?」

「なぁ、気付いてないかもやけど財前くんうちのコト意識してるやろ?」

「なにを言うとんねん」

「好きな人のことって無意識に目で追っちゃうねんで
 その証拠に先週から財前くんはウチのコト目で追ってる
 テニ部のみんなとは前からしゃべってたのにあたかも最近仲いいみたい言ってくる
 おかしいな?」

何言ってんねん

「財前くん。好きやで?付き合おっか?」

…俺は名前も知らん人に
悔しいけど惹かれてる…
自分でもびっくりやわ。


「…アンタ、名前何て言うん?」


まずは、アンタのコト知りたい―

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