いつわりびと空
□冬空
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シンシン
シンシン
シンシン
「雪…」
空が言った。空からは雪がシンシンと降ってきていた。
「きれいですー」
ぽちが感動したように言った。
「どうりで寒いと思ったぜ…」
あー寒、と薬馬が言いながら宿へ戻って行った。そこに烏頭目が来た。
「うーつほ!見ろよ!雪だぜ!?」
「…せやなぁ…綺麗や…」
空は微笑みながら言った。空は降り続ける雪を見ながらボンヤリしていた。
「烏頭目…」
不意に空が烏頭目に話しかけた。
「んー?」
「あの…その…ぎゅって…してほしぃ…////」
最後の方は小さかったが烏頭目にはちゃんと聞き取れた。
「おう!空、おいで?」
「う…ん///」
顔を真っ赤にしながら空は烏頭目に抱きついた。烏頭目も強く抱きしめる。
「急にどうしたんだ?空からなんて珍しいな」
微笑みながら言う。
「…やって、なんや雪見とったら寂しくなってきてん…アカンかったか?///」
――…可愛い
「全然!逆に嬉しいぜ?」
「ならエエんやけど…//」
――…可愛い
好き
大好き
愛してる
「空、―――――…」
「!!!///うず……ん」
「アハハ!空顔真っ赤」
「な!!//う、烏頭目のアホ!!(それは、ワシかて同じや…)」
『空、大好き
そして…
愛してる』
烏頭目に言われた言葉、空は嬉しくて顔がにやける。
見られるのが嫌で烏頭目の胸に顔を押しつける。
冬空での甘い告白。
雪が降り続ける中での告白。
誰よりも何よりも、世界で一番…
大好きな人
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