いつわりびと空
□捕まえた
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「………ホンマ、最悪や。なんでワシが行かなアカンのや…」
空は今、保健室へと向かっていた。担任の際刃に頼まれたのだ。
『天邪狐、悪いが保健室へ行ってこの資料を憚木先生に渡してくれ。頼んだぞ』
「な〜にが頼んだぞ、や。他にもいたやないか」
ちゃっちゃと渡して帰るか…
そんな事を思いながら廊下を歩いていたら控が話しかけてきた。
「よ、空ちゃん。やっぱりいつ見ても可愛いねェ〜」
「控…何しとんねん?」
「何って抱きしめてるんだよ〜」
「それはわかっとるわ。ワシが言っとんのは手や。手」
手…そう、今の状況は控が空を後ろから抱きしめ胸を揉んでいるのだ。
「いや〜いつ揉んでもデカいなぁって…」
このやりとりは日常茶飯事なのだ。
「だからって毎回揉むなや…」
溜息をしながら言った。呆れていたのだ。控はもう帰らないと、と言って帰った。
「バイバーイ。また明日ねェ」
「おう。…(物凄く笑顔やった…)」