いつわりびと空

□好きだから
1ページ/3ページ

空…どうして俺達に頼ろうとしない?特に…………俺には………………頼ってほしい…





「今日もぎょうさんいよるのォ。ま、ちゃっちゃとすますか」
今空達一行は山賊を倒している。大したことはない、余裕で勝てると誰もが思った。しかし…山賊の一人がぽちに攻撃を仕掛けたのだ。それを見て空はぽちを庇って斬られた。
「空ォオ!!!」
薬馬は空が地面につく前に支えた。誰もが驚愕の表情をした。それでキレた控は空を斬った山賊を殺した。
「空くん斬るなんていい度胸してるよねーそれに何も出来ないぽち狙うなんてさー…ぽちが無事で良かったけど空くんにケガさせるなんて…死んで当然だよ」
最後は自分にしか聞こえない程度で言ったのだから誰も聞いてはいない。
「こじゅ!!空は?!空は大丈夫なのか?!」
「ああ…ただ、傷が深い…早く手当てしないと」
薬馬はそう言って空を横抱きした。どうやら気を失っているようだ。



休めそうな洞窟で待機していた。
夜、皆が寝静まったなか空は目を覚ました。
「ん…こ…こは?」
「目ェ覚めたか?」
「…や…くま?」
「…ぽち達なら外で寝てる…それより」
「…(怒っとる?)なんや?」
「なんでぽちを庇ったんだ…」
「なんでって…大事だからに…」
「違う!!なんで俺達がいたのに一番ぽちから離れてたお前が助けたんだって聞いてんだよ!!一番ぽちに近かったのは俺だ!!」
「別にエエやないか!!…ワシはぽちが大事やから…」
「ふざけんな!!」
薬馬は声を荒げた。空はビクッと身体を震わせた。
「俺達がどれだけ心配したと思ってんだ!!別にいい?ふざけた事言ってんじゃねェ!!俺達だってぽちは大事だ!!それとも何か?俺達を、俺達仲間を信じてないのか?」
「…っ、ちが…」
「違くねェだろ!!そんなふうにされたら誰だってそう思うだろうが!!」
薬馬は止めようとしなかった。
「お前はいつもそうだ!!俺達に頼ろうとしない!!そんなに役に立たねェのか?頼りねェか?だから頼ろうとしねェのかよ!!」
「ちゃう!!」
空は否定しようとした。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ