いつわりびと空

□眠れない夜は…
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皆が寝静まったなか、一人眠れない人が…
モゾモゾ
「…(ね、眠れん…なんでや?)」
むくり
「……糸目起きてたワケ?」
…………は?
なんでこないな時に起きてんねん?
「………驚きすぎなワケ…」
いやいや、驚くわ。
誰も起きてないと思ったらもう一人…蝶左が起きていたのだから。
「…蝶左は、なんで起きてん?」
「烏頭目とチビが中々寝なかったからな…目覚めたワケ。で?なんで糸目は起きてるワケ?」
空はまさか自分が質問されるとは思っていなかったらしく、また驚いていた。
「………………眠れんのや」
ボソッと呟いた。驚きながらも質問には答えたが、蝶左は…
「…(あの糸目が素直…)何?聞こえないんだけど?なんつったの?」
蝶左は空が素直とは珍しいと思いわざと聞こえないフリをしたのだ。
「…………せやから……ね、眠れんのや……聞こえたやろ?」
蝶左は内心…
素直な糸目…珍しいワケ。結構可愛いワケ。いつもこうだったらいいのに…
「…」
「??」
そんな蝶左に空は頭に?マークが出た。
…そーいや医者、糸目の素直なとこ見てみたいとかなんとか言ってたワケ。…これって俺だけが見たっつうことか?
「…眠れないなら此処くるワケ」
ポンポン
蝶左は自分の足を叩いて見せた。空は、ぱぁっと嬉しそうに蝶左の上ちょこんと座った。
…素直すぎる…しかも、可愛すぎなワケ。え?これホントにあの糸目?
「糸目…今日はやけに素直だな」
「……素直になるんは、蝶左の前だけや。蝶左には変に気ィ使わんでエエし…なにより落ち着くんや」
「っ!!///」
ちょ、ヤバいワケ!!素直すぎなワケ!!は!?俺の前でだけ素直?!しかも落ち着く?!糸目が?!あの糸目が?!
「…///可愛すぎなワケ」
「…………へ?」
ついポロッと出た。空もいきなりで間抜けな声が出た。
「…糸目」
蝶左が空を呼んだ時。
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