07-GHOST 長編
□Kapitel.1
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バルスブルグ帝国
〈第1区〉
「我々は栄誉あるバルスブルグ帝国陸軍士官学校の第315期生としてホーブルグ要塞の一員となる為に選抜されたエリートです」
「帝国の名に恥じぬ立派な軍人になる為弛まぬ努力を―…」
「…(疲れた…)」
レイは話が長いだろうと思った。
「…ん?」
あれは…とレイが呟いた先には…
「おい見ろよ。ミロク理事長のお気に入りの一人だぜ。相変わらず仏頂面だな」
「…」
そう、レイが呟いた先にはテイト=クラインがいたのだ。
「…お気に入りの一人、ね…」
レイもテイト=クライン同様ミロク理事長のお気に入りなのだ。
「アイツ元奴隷だって知ってるか?」
「うっそ!マジで!?」
「…」
カッ
「…おい」
「あ?」
「言いたい事があるなら堂々と本人に言えばいいだろう」
レイはワザと聞こえるように話す輩にいった。
「げ…」
「…(アイツは確か…)」
テイトがレイを見ていると…
「おはようウワサのお坊っちゃま!」
「うっつぁしいわミカゲ!!」
ミカゲにからかわれた。
「あれ?やっぱ分かった?」
「一年もダチやってて分かんねえってか」
テイトはピシャリと言った。
「てか何見てたんだよ」
「何って…」
「オレか?テイト=クライン…」
後ろから話しかけられた。
「「ギャァァ!!?」」
バッと後ろを振り向く二人。
「…なんだいきなり」
「なんだっていきなり後ろから話しかけるな!!」
テイトは怒鳴るがレイは知らんフリをした。
「…確か、レイ…だっけ?」
ミカゲが聞く。
「…ああ」
レイが頷く。テイトは空気状態。
「オレを無視するなァ!!」
ギャーギャー騒ぐテイト。
「まぁまぁ落ち着けって〜…」
ミカゲが宥める。