07-GHOST 長編

□Kapitel.1
1ページ/6ページ

バルスブルグ帝国
〈第1区〉

「我々は栄誉あるバルスブルグ帝国陸軍士官学校の第315期生としてホーブルグ要塞の一員となる為に選抜されたエリートです」

「帝国の名に恥じぬ立派な軍人になる為弛まぬ努力を―…」

「…(疲れた…)」

レイは話が長いだろうと思った。

「…ん?」

あれは…とレイが呟いた先には…

「おい見ろよ。ミロク理事長のお気に入りの一人だぜ。相変わらず仏頂面だな」

「…」

そう、レイが呟いた先にはテイト=クラインがいたのだ。

「…お気に入りの一人、ね…」

レイもテイト=クライン同様ミロク理事長のお気に入りなのだ。

「アイツ元奴隷だって知ってるか?」

「うっそ!マジで!?」

「…」

カッ

「…おい」

「あ?」

「言いたい事があるなら堂々と本人に言えばいいだろう」

レイはワザと聞こえるように話す輩にいった。

「げ…」

「…(アイツは確か…)」

テイトがレイを見ていると…

「おはようウワサのお坊っちゃま!」

「うっつぁしいわミカゲ!!」

ミカゲにからかわれた。

「あれ?やっぱ分かった?」

「一年もダチやってて分かんねえってか」

テイトはピシャリと言った。

「てか何見てたんだよ」

「何って…」

「オレか?テイト=クライン…」

後ろから話しかけられた。

「「ギャァァ!!?」」

バッと後ろを振り向く二人。

「…なんだいきなり」

「なんだっていきなり後ろから話しかけるな!!」

テイトは怒鳴るがレイは知らんフリをした。

「…確か、レイ…だっけ?」

ミカゲが聞く。

「…ああ」

レイが頷く。テイトは空気状態。

「オレを無視するなァ!!」

ギャーギャー騒ぐテイト。

「まぁまぁ落ち着けって〜…」

ミカゲが宥める。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ