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□退学クライシス
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転校してきて最初のテストも終わり、今日からテスト返しだ。



「川田」


「はい」


「栗原」


「はい」


「近藤」


「はい」


男子から順に出席番号順に呼ばれていく。




『京子ちゃん、テスト自信ある?』




「う〜ん。ちょっと心配かなぁ。


煉ちゃんは?」




『私はまあまあ自信あるよ!』




前に座る京子ちゃんと話しながら名前を呼ばれるのを待っていると、ツナの順番が来た様子だった。



「ちっ」




理科の根津先生は、ツナの答案用紙を返す前に仮定の話を始めた。




「あくまで仮定の話だが……クラスで唯一20点台を取って平均点をいちじるしく下げた生徒がいたとしよう。

エリートコースを歩んできた私が推察するに、そういうやつは学歴社会において足を引っ張るお荷物にしかならない。

そんなクズに生きている意味あるのかねぇ」



根津先生が話し終えるとツナの答案用紙がペランと垂れ、点数が丸見えになった。



「うわーーーーーーっ!!」




ツナは真っ赤になって答案を受け取るとそそくさと席に戻った。

教室内はどっと笑いが起こっている。




『なに、あれ』



「ああいう先生なんだよ……」



京子ちゃんは少し困ったような顔をして言った。

京子ちゃんにこんな顔をさせるなんて許せん根津先生。

あとツナが可哀そうだ。



「次。鈴木ー」




根津先生は次の生徒を呼んでいく。

そんな中、教室の後ろのドアが大きな音を立てて開いた。



「獄寺君…」



「コラ!遅刻だぞ!!今頃登校してくるとはどういうつもりだ!!」



「ああ!?」



正直何ともごもっともな教師の言葉であると思う。

隼人は根津先生を睨みつけた後、ツナのところへ行き、90度の礼をして



「おはよーーございます10代目!!」



大きな声で挨拶をした。

おかげで教室はざわざわとし、挙句の果てに根津先生が余計な仮定の話を始めるものだから、事態は収集を付けるのが困難になった。








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