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□退学クライシス
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「次。東雲」
『はーい』
教卓の前に行って答案用紙を受け取ろうとすると、根津先生はまたつまらない話を始めた。
「あくまで仮定の話だが……クラスの中で100点を取った二人のうち一人が20点台の生徒とつるみ、もう一人はその二人を庇ったとする。
そのもう一人の生徒は今後まっとうな道を進むことが出来るのだろうか」
そう言って手渡された答案用紙は100点満点はなまるぴっぴ。
『回りくどいです、先生。
仮定の話じゃなくて、現実の話をしましょうよ。
隼人もツナも私もまだ中学生ですよ?55歳の一般中年男性教師如きに案じられるほど未来は定まってませんので』
踵を返して席に戻る途中でツナと目が合った。
ツナは少し驚いた顔をしていて、私は笑顔を向けた。
それに釣られたのかツナも笑顔を返してくれた。
全員のテスト返却を終えて授業は終了。
「獄寺と沢田はついてきなさい!」
ツナと隼人は渋々根津先生についていく。
『忘れるってことはなかったかー』
頬杖を付きつぶやくと、花ちゃんがさっそく食いついてきた。
「煉、あんたホントすごいよ」
『そう?どして?』
「根津の気を沢田達から逸らそうとしたんでしょ?
やっぱカッコいい!」
『アハハ……失敗したけどねー』
これで退学クライシスにならないといいけど、と思っていると携帯が振動した。
『ちょっと電話出てくるね』
「いってらっしゃーい」
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