長編

□unusual days!
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中間テストは、自分なりにはかなり頑張ったつもりだったが、リボーンのお気には召さなかったらしい。


「なんで!?全部平均点以上だよ!?」

「いや、英語が平均点と同点だぞ。
俺は平均点以下を取ったら、って言ったんだ。」


そ、そんなー!?そんなの屁理屈だよ!
とでもいいたげな顔をしていると、
ニヤリといつものように笑い、


「英語はあんだけ見てやったよな?なのにこれしか取れなかったナギが悪い」


…返す言葉もございません。
確かに勉強時間全体の半分は英語が占めていたきがする。
だって英語は根本的に嫌いなんだもん。
もう体質が受け付けないんだよ!


「お仕置きは、まぁ考えといてやる。楽しみにしとけよ」

「……はーい。」


楽しそうなリボーンに対して力なく返事する私。
せっかくテストが終わったっていうのに…
私には休む暇さえないのか。














「見せて見せてー!!」

「この写真の、これがリボーンだよ!」

「なにこれー!?本当にリボーンなの!?」


きゃははは、と私はお腹を抱えて笑う。


今はツナ達にリボーンの赤ん坊だった頃の写真を見せてもらっている。
山本くんが小僧、と呼んでいたのが気になってツナに聞いてみると、なんとリボーンは数年前まで呪い?だからなんだかで赤ん坊の姿だったらしい。

あのリボーンが赤ん坊の姿だなんて、見ない訳にはいかない!
ってことでツナに写真を持ってきてもらっていた。


「なにこのリボーン!可愛すぎるでしょ!」


あのリボーンが赤ん坊だなんて見るまでは想像もつかなかったけど、
写真を見てみるとくりくりとした大きな黒目、小さい体は赤ん坊そのままだったが、
ぐるぐるとしたもみあげを見て、やっぱりリボーンなんだと実感した。


「この頃からあの性格はまったく変わってなかったけどねー」


ツナは苦笑いしながら答える。
気持ちは痛いくらいにわかる。
あのどS家庭教師のことだから、相当な苦労をしてきただろう。


「ねぇ、ツナ。このリボーンの写真、一枚もらってもいい?」

「いいよ。ただ、リボーンにはバレないようにね。」

確かに、私が見たなんて知ったら大変なことになるだろう。

「わかってるって!」

そういって私はその写真をポケットにしまった。












家に帰り、いつものようにリボーンに勉強を教えてもらっているが、
自然と顔がにやけてしまう。

だって、このリボーンがあんな可愛い赤ん坊だったなんて。
誰が見たって可笑しくて仕方ないだろう。


「なにニヤニヤしてんだ。気持ち悪ぃ。」

「べ、別にニヤニヤなんてしてないもん。」


無意識のうちに、口許がにやけてしまう。
笑いをこらえるのに必死だ。

リボーンが怪しげにこちらを見ると、途端に一瞬で私の手を纏め上げた。


「きゃあっ!」


そして腰のあたりを探られる。
なにすんだこの変態!


「…ほぅ…。ニヤニヤしてた原因はこれか。」

「あぁっ!」


リボーンの手には、私のポケットから出したであろうリボーンの赤ん坊の頃の写真が握られていた。
…ツナ、ごめん。早速ばれました。


「…ツナのやつ、余計なことしやがって。」

「ツナは悪くないの!私が勝手に見せてもらってただけなんだって!」


そして取り返そうとするが、リボーンには敵わず周りをぴょんぴょん跳ねるだけになってしまう。


「…でもさ、リボーンてそんなに可愛かったんだね。ぷくく」

「お前…ぶっ飛ばされたいのか」

「…だって…ククククク、あはははは!」


リボーンは明らかむっとしている。


「なんか…今のリボーンも赤ちゃんみたいに可愛く見えてきた!あははははっ!」


失礼だとは思うが、笑いが抑えられない。
赤ん坊の頃の顔と重ねて見てしまう。

すると、リボーンの目つきが鋭くなる。
あ、…さすがに怒っちゃったかな?
と思った途端、


ドサッ


いきなりリボーンにソファに押し倒された。


「えっ?」


そしてリボーンが覆いかぶさってくる。
胸を押して押し返そうとしても力ではまったく敵わずびくともしない。


「ちょっと!リボーン!!」


叫んでも返事はなく、退く気配はない。
リボーンの手は私の腰から内太腿あたりをなで上げ、顔は私の首元にうずめている。


「んん、あっ!」


なんだかチクリとした感覚があり、思わず変な声が出てしまう。

するとリボーンの鼻で笑う声が聞こえた。

そしてそこをペロリと舐められる。

もう片方の手で顎をくいっと、リボーンの方に向かせられると、


「赤ん坊はこんなことすんのかよ。」


と言ったリボーンの目はいつにも増して鋭くて、別人のように見えた。

錯乱してなにも返せない。
リボーンになにをされたのかもよくわからない。


なにもできずぽかーんと固まっていると、


「ククククッ」


そんな私を見て、今度はリボーンが笑い出した。


私は未だ放心状態の横で、リボーンが可笑しくて仕方ないというように1人で笑っている。


「クククッ、悪い、やりすぎた。馬鹿にされてつい、な。
お前がそこまで免疫ないとは知らなかった。」


といいつつまだ笑っている。


「…リ…」


「?」


「リボーンの馬鹿!!!」


思いっきり近くにあったクッションを投げつける。
今回のは許せない!
そして教科書で叩き続ける。


「ばか!!ほんとに、びっくりしたんだから!!」


リボーンが笑いながら逃げるのを追いかける。

先ほどのことで何故か体が熱くなっているのを気づかない振りをするように、思い切りリボーンを叩き続けた。



…普通の男の人だったら絶対に嫌なのに…

なんでリボーンにされた時、嫌悪感を感じなかったのだろう?







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